上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|菊池昭彦教授の半導体・ナノテクノロジー研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 機能創造理工学科の菊池昭彦教授と、半導体・ナノテクノロジーを活用した光デバイス研究」です。

スマートフォンのディスプレイやLED照明、レーザー、太陽電池など、私たちの生活を支えるさまざまな技術に半導体が使われています。今回は、ナノテクノロジーを駆使した光デバイスの研究に取り組む菊池昭彦教授を通して、高校で学ぶ物理や数学が最先端の技術へどのようにつながるのかを見ていきましょう。


菊池昭彦教授はどのような研究者?

上智大学の公式情報によると、菊池昭彦教授は上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属し、半導体を利用した機能性デバイスの研究に取り組んでいます。上智大学で工学士、工学修士、博士(工学)を取得し、1994年に上智大学理工学部助手となった後、講師、准教授を経て、2015年から教授を務めています。

研究キーワードとしては、GaN、InGaN、ナノピラー、フォトニック結晶、マイクロLED、ナノコラム、有機半導体デバイス、分子線エピタキシーなどが挙げられています。

言葉だけを見ると難しく感じるかもしれません。しかし、その中心にあるのは「半導体の材料や構造を非常に小さなスケールで工夫すると、どのような新しい機能を生み出せるのか」という問いです。


ナノテクノロジーで光を操る

菊池教授の研究室では、ナノテクノロジーを駆使した光デバイスの研究開発が行われています。「ナノ」は10億分の1メートルを表す単位で、人間の目では直接確認できないほど小さな世界です。

公式の研究紹介では、独自の半導体ナノ加工技術である「HEATE法」をコア技術として、RGB集積レーザー、ナノLEDディスプレイ、可視域フォトニック結晶デバイス、単結晶型有機半導体デバイス、高性能ペロブスカイト太陽電池などが研究テーマとして紹介されています。

つまり、単に既存の半導体を利用するのではなく、材料をどのような形や構造にするかまで考え、新しい光デバイスの可能性を探究しているのです。


GaNやInGaNとは何だろう?

菊池教授の研究を知るうえで登場するのが、GaN(窒化ガリウム)やInGaN(窒化インジウムガリウム)といった窒化物半導体です。

高校の化学では元素や化学結合について学び、物理では電気や光について学びます。大学では、そうした知識がつながり、「どのような原子からできた物質なのか」「結晶がどのような構造をしているのか」によって、電気的・光学的な性質がどう変わるのかを考えていきます。

菊池教授の研究室では、窒化物半導体ナノコラム結晶を用いた新しい機能性デバイス材料や、InGaNナノコラムの多色発光機構とデバイス応用なども研究テーマとして掲げられています。

身近なLEDの「なぜ光るのだろう」という疑問も、深く掘り下げれば、原子や電子、結晶構造、光と物質の関係を探究する大学の研究につながっていくのです。


小さな構造が光の性質を変える「フォトニック結晶」

菊池教授の研究分野には「フォトニック結晶」もあります。フォトニック結晶とは、光の波長と同程度の非常に小さな周期構造をつくることによって、光の進み方などを制御する技術です。

上智大学では、菊池教授が研究代表者を務める研究課題として、InGaN系フォトニック結晶を用いた可視域のレーザーに関する研究も進められています。

高校の物理で学ぶ光の波、反射、屈折などは、問題集の計算だけで完結する知識ではありません。大学では「光をナノスケールの構造に入れたら何が起こるのか」という新しい問いへ発展していきます。

高校で学んだ一つの法則が、材料や電子工学と組み合わさることで、最先端のデバイス研究へつながっていくところが理工学の面白さです。


身近なディスプレイから研究への問いを見つける

菊池教授の研究は、高校生にも身近な技術から興味を広げやすい分野です。たとえばスマートフォンやタブレットの画面を見て、「なぜこれほど小さな画面で鮮やかな色を表現できるのだろう」と考えたことはないでしょうか。

菊池教授の研究室では、コンタクトレンズディスプレイの実現に向けたRGB集積レーザーやナノLEDディスプレイなども研究されています。赤・緑・青という光の三原色や半導体の発光を考えていくと、普段何気なく見ている「画面」も多くの科学技術が集まってできていることが分かります。

大切なのは、最初から半導体の高度な専門知識を持っていることではありません。「なぜ小さなLEDが光るのか」「どうすればもっと小さな発光素子をつくれるのか」といった身近な疑問から調べ始めることも、専門分野への入口になります。


上智大学 理工学部 機能創造理工学科とのつながり

上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、物理学や数学などの理学と、材料、デバイス、電子機器、エネルギー、機械システムなどの工学を融合的に学ぶ学科です。

2026年度のカリキュラムでは、基礎科学を学んだ後、物理学・機械工学・電気電子工学の基礎へ進み、さらに専門性を深めていく構成が示されています。菊池教授も、アナログ電子回路、光エレクトロニクス、機能創造理工学実験・演習などを担当しています。

菊池教授の研究は、まさに物理学で光や電子の性質を理解し、それを半導体材料やデバイスという工学へつなげていく研究の一例です。

機能創造理工学科を「ものづくりをする学科」とだけ捉えるのではなく、「自然現象を理解し、その知識を使って新しい機能を考える学科」という視点から調べてみると、学科の特徴がより見えやすくなるでしょう。


高校の物理・数学・化学を「研究の道具」として考えてみよう

半導体研究では、電気や光を理解する物理だけでなく、材料そのものを考える化学、現象を数式で表現する数学など、複数の分野が関わります。

たとえば物理の授業で光について学んだとき、「公式を覚えて問題を解く」で終わるのではなく、「この性質はLEDやレーザーではどう利用されているのだろう」と考えてみることができます。

化学で結晶について学んだなら、「原子の並び方が変わると半導体の性質も変わるのだろうか」と疑問を広げることもできます。

こうした問いを一つずつ調べていくと、高校で別々に学んでいる科目が、大学の研究ではつながっていることが見えてきます。


推薦入試に向けて研究内容をどう調べる?

上智大学 理工学部 機能創造理工学科の推薦入試を考えている人は、教員紹介を単に「有名な研究をしている先生を探すページ」として見るのではなく、自分の興味を具体化する材料として活用してみましょう。

たとえば「電子機器に興味があります」だけで終わらせず、「スマートフォンのディスプレイを調べる中で、半導体材料や発光の仕組みに興味を持った」と掘り下げることができます。

さらに、「高校物理で学んだ光が、ナノスケールではどのように制御されるのか学びたい」「材料の構造を変えることで新しい機能を生み出す研究に興味がある」と考えられれば、高校での学びと大学での学びのつながりも見えてきます。

研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。まずは自分が何に疑問を感じているのか、その疑問を上智大学 理工学部 機能創造理工学科でどのように深められそうなのかを考えてみることが大切です。


身近な「光るもの」から理工学の世界をのぞいてみよう

LED、スマートフォンの画面、レーザー、太陽電池。普段は完成した製品として使っているものも、その内部をたどっていけば、半導体、結晶、電子、光といった基礎科学の世界につながっています。

菊池昭彦教授の研究をきっかけに、「半導体はなぜ光るのか」「ナノサイズにすると何が変わるのか」「光を自在に操るにはどんな材料や構造が必要なのか」と、自分なりの疑問を一つ見つけてみてください。

その疑問を調べる過程は、自分の興味と上智大学 理工学部 機能創造理工学科での学びをつなげて考えるきっかけになります。出願書類や面接で問われる志望理由を考える際にも、「何に興味があるのか」だけではなく、「なぜ興味を持ち、大学で何をさらに知りたいのか」まで整理してみましょう。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。