
上智大学 理工学部 機能創造理工学科 教員紹介|Deshi Kong助教の電気鉄道・エネルギーマネジメント研究
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 機能創造理工学科のDeshi Kong助教と、電気鉄道・蓄電装置・エネルギーマネジメントの研究」です。
毎日の通学で電車を利用している人は多いと思います。では、電車がブレーキをかけたときに生まれるエネルギーは、その後どうなっているのでしょうか。Kong助教の研究を知ると、普段何気なく利用している鉄道を「エネルギーをつくり、蓄え、効率よく使うシステム」として見ることができます。
Deshi Kong助教はどのような研究者?

Deshi Kong助教は、上智大学 理工学部 機能創造理工学科に所属しています。上智大学の公式教員情報では、主な研究テーマとして「電気鉄道、蓄電装置、省エネルギー、エネルギーマネジメント」が紹介されています。
研究キーワードには、電気鉄道のほか、回生エネルギー、エネルギー貯蔵、スマートシティ、エネルギーマネジメントなどが挙げられています。上智大学大学院理工学研究科で修士・博士課程を修了し、2024年9月から上智大学で研究・教育に携わっています。
Kong助教の研究の特徴は、鉄道車両という一つの機械だけを見るのではなく、車両、駅、蓄電装置、電力網、再生可能エネルギーなどを含めた「交通システム全体」からエネルギーの使い方を考えていることです。
電車がブレーキをかけると電気が生まれる?
電車は加速するときに電力を使います。一方、減速するときには、モーターを発電機のように働かせることで、車両が持っている運動エネルギーを電気エネルギーへ変換できます。これが「回生エネルギー」です。
ただし、電気が生まれれば自動的にすべて有効利用できるわけではありません。電気を必要とする別の列車がちょうど近くにいるとは限らないため、余った電力をどう扱うかが重要になります。
Kong助教は、車両に搭載する蓄電システムと地上に設置する蓄電システムなどを組み合わせ、回生エネルギーをより有効に活用する研究に取り組んでいます。蓄電装置の容量や配置、電力を充電・放電するタイミングなどを考えることで、鉄道システム全体のエネルギー効率を高めることを目指しています。
「最適な蓄電装置」をどうやって考えるのか

「電気をためられるなら、大きな蓄電装置をたくさん設置すればよい」と思うかもしれません。しかし、実際には設備の容量を大きくすれば、その分だけ導入するための条件やコストなども考える必要があります。
そこで重要になるのが「最適化」です。最適化とは、複数の条件の中から、目的に合ったより良い組み合わせを数学的に探していく考え方です。Kong助教の公式研究情報では、遺伝的アルゴリズムなどを研究キーワードとして確認できます。遺伝的アルゴリズムは、生物の進化の仕組みにヒントを得て、多数の候補からより適した解を探索していく計算手法です。
つまり、鉄道の研究でありながら、電気・電子工学だけで完結するわけではありません。数学を使って条件を整理し、コンピュータ上でモデルを作り、シミュレーションによって結果を検証するという情報分野の考え方も関係します。
再生可能エネルギーや水素まで視野に入れる
Kong助教の公式研究情報では、車載型・地上型の蓄電システムに加えて、再生可能エネルギーを鉄道システムへ組み込む研究や、都市交通における水素エネルギーの需要予測・活用も研究テーマとして示されています。
太陽光などの再生可能エネルギーは、発電量が常に一定とは限りません。一方、鉄道の電力需要も、列車の運行状況などによって変化します。そのため、「発電できる時間」「電力が必要になる時間」「電気をためる場所」をまとめて考える必要があります。
エネルギー問題は、単に新しい発電方法をつくれば解決するものではありません。どこでつくり、どこにため、いつ使うのかまで含めて設計する必要があります。Kong助教の研究からは、社会インフラを一つの大きなシステムとして捉える工学の考え方が見えてきます。
高校の数学・物理はどうつながる?
高校の物理で学ぶ運動エネルギーや電気、電力などは、電気鉄道を理解するための基礎になります。たとえば、「走っている電車が持つ運動エネルギーを、どれだけ電気として回収できるのか」という問いには、力学と電気の両方が関係しています。
数学も重要です。大学では、現実の複雑な現象を数式やモデルに置き換えて考える場面が増えていきます。さらにコンピュータによるシミュレーションを利用すれば、条件を変えながら「蓄電装置をどこに置けばよいのか」「どのように制御すると効率がよいのか」といった問題を検討できます。
上智大学 理工学部 機能創造理工学科は、機械工学、電気・電子工学、物理学を基盤とし、「エネルギーの創出と利用」「物質の理解と材料・デバイスの創造」「ものづくりとシステムの創造」というキーテーマを結びつけて学ぶ学科です。Kong助教の研究は、こうした分野横断的な学びをイメージしやすいテーマの一つといえるでしょう。
通学中の電車も探究の入口になる
推薦入試を考える高校生にとって大切なのは、最初から専門的な鉄道研究ができることではありません。身近なものに疑問を持ち、自分なりに調べていくところから始められます。
たとえば、電車に乗っていて「ブレーキで生まれた電力はどこへ行くのだろう」と疑問を持ったとします。そこから回生ブレーキについて調べ、蓄電装置の存在を知り、「すべての駅に蓄電装置を置けばよいわけではないのはなぜだろう」と次の問いへ進むことができます。
あるいは、探究活動で再生可能エネルギーを調べた経験から、「発電方法だけでなく、電力を使う交通システム側の工夫も必要なのではないか」と考えることもできます。大切なのは経験の珍しさではなく、そこからどのような疑問を持ち、調べ、考えを深めたかです。
推薦入試では自分の興味と学科の研究をつなげよう
上智大学 理工学部 機能創造理工学科を目指すのであれば、「電車が好きだから」「環境問題に興味があるから」というところから、もう一段問いを深めてみましょう。
たとえば、「鉄道の省エネルギー化に興味があり、調べる中で回生エネルギーの存在を知った。エネルギーを回収するだけでなく、蓄電装置や運行状況まで含めてシステム全体を最適化する考え方を学びたい」と整理すれば、自分の興味と大学での学びとの接点が見えやすくなります。
教員紹介を読む目的も、先生の名前や研究テーマを暗記することではありません。「なぜこの研究が気になるのか」「高校で学んでいる数学や物理とどこでつながるのか」「自分ならどんな疑問をさらに調べてみたいのか」と考える材料にすることが大切です。
身近な交通から理工学の問いを見つけてみよう

Kong助教の研究を見ていくと、電車という身近な交通手段の中にも、電気、力学、数学、制御、蓄電、再生可能エネルギーなど、さまざまな理工学のテーマが隠れていることが分かります。
まずは普段利用している電車や駅を少し違った視点で見てみてください。「この電車はどのようにエネルギーを使っているのだろう」「もっと効率よくする方法はあるのだろう」と考えることも、大学での学びにつながる第一歩です。
自分の身近な疑問と、上智大学 理工学部 機能創造理工学科で学べる内容を少しずつ結びつけていきましょう。もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


