
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 鈴木一敏教授とは?国際関係論・国際政治経済学とシミュレーションから世界を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「鈴木一敏教授の研究と、総合グローバル学科で学べる国際政治経済学について」です。
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、国家間の経済関係や通商交渉について研究しているのが鈴木一敏教授です。現在は総合グローバル学部総合グローバル学科の教授で、専門は国際関係論、国際政治経済学、シミュレーションです。国際政治を歴史やニュースから考えるだけでなく、コンピューターを使ったシミュレーションによって分析している点も特徴です。
鈴木一敏教授は何を研究している?
鈴木教授の研究テーマの一つが、グローバル化と国家の関係です。現代では、ヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて移動しています。しかし、それらが自由に動けば国家の役割がなくなるという単純な話ではありません。
例えば、海外からの商品をどこまで受け入れるのか、外国企業との競争から国内産業をどう守るのか、外国からの投資をどこまで認めるのかなど、国境を越える経済活動には政府の判断が関係します。そして、その政策について国内でも異なる意見が生まれます。
鈴木教授は、国家がグローバル化をどのように制御するのか、反対にグローバル化によって国家の役割がどのように変化するのかを、政治学の視点から研究しています。
国と国の「通商交渉」を分析する

鈴木教授の研究の大きな柱となっているのが、国家間の通商交渉です。通商交渉とは、貿易や関税などについて国同士が条件を調整する交渉のことです。
教授は、交渉がなぜ始まり、どのような経緯を経て最終的な結果に至ったのかを、記録文書や関係者へのインタビューなどから分析しています。過去の日米貿易摩擦やFTAの交渉なども研究対象です。
国同士の交渉というと、「日本対アメリカ」のように二つの国家が一つの意思を持って交渉しているように見えます。しかし実際には、政府の中にも複数の省庁があり、企業や産業によって利害も違います。国際交渉の結果を理解するためには、相手国との関係だけでなく、一つの国の内部で何が起きているのかを見る必要もあるのです。
関税のニュースから国際政治が見えてくる
鈴木教授の研究は、高校生が普段見るニュースともつながっています。例えば、ある国が輸入品への関税を引き上げるというニュースがあったとします。
国内企業を守るためにはメリットがあるかもしれません。一方で、輸入品の価格が上がれば消費者には負担となる可能性があります。相手国が対抗して関税を引き上げれば、輸出企業にも影響が出ます。さらに、複数の国をまたいで製品をつくっている企業にも影響が広がる可能性があります。
一つの政策でも、企業、労働者、消費者、政府、外国など、立場によって受ける影響は異なります。国際政治経済学では、こうした複雑な関係を考えていきます。
シミュレーションで国際政治を研究するとは?
鈴木教授のもう一つの研究の柱が、マルチエージェント・シミュレーションです。難しそうに聞こえますが、簡単にいえば、コンピューターの中に複数の仮想的な国家などをつくり、それぞれに一定のルールを与えて相互作用させる方法です。
例えば、「国家がこのルールに従って行動したら、国際社会全体ではどのような結果になるのか」をコンピューター上で確かめることができます。鈴木教授は、国際政治の理論がどのような条件で成り立つのかを検証するために、この方法を活用しています。
国際政治というと、文章をたくさん読んで考える文系の学問というイメージを持つかもしれません。しかし、実際には文献調査、インタビュー、データ分析、シミュレーションなど、さまざまな研究方法があります。
米中経済摩擦や経済安全保障も研究につながる
鈴木教授は近年、米中経済摩擦や経済制裁、経済安全保障などにも関心を広げています。国と国が経済的につながることは、協力の機会を増やす一方で、そのつながりが政治的な圧力に使われる可能性もあります。
例えば、重要な製品を特定の国からの輸入に大きく依存していた場合、その国との関係が悪化すると供給に影響するかもしれません。一方で、安全保障を理由に経済関係を制限すれば、企業活動や消費者にも負担が生じる可能性があります。
「自由貿易か保護主義か」という二択だけではなく、経済と政治がどのように影響し合っているのかを見ることが重要です。
高校生なら身近なニュースから問いをつくれる

鈴木教授の研究に興味を持ったら、ニュースに出てくる関税、貿易協定、経済制裁といった言葉を調べてみるとよいでしょう。
例えば、「なぜ国は自由貿易を進めながら、一部の商品には高い関税をかけるのだろう」「経済制裁はどのような仕組みで相手国に影響するのだろう」「国同士の経済的なつながりが強くなれば、対立は減るのだろうか」といった問いが考えられます。
学校の政治・経済や公共で習った内容と、現在の国際ニュースを結びつけてみるのもおすすめです。教科書で学んだ制度が現実の世界でどのように動いているのかを調べると、国際政治がぐっと身近になります。
総合グローバル学科の国際政治論とどうつながる?
鈴木教授は、総合グローバル学部の国際政治論領域を担当しています。また、2026年度には1年次の「国際関係論入門」も担当しています。
総合グローバル学科では、国家間の関係だけを見るのではなく、その背後にある国内政治や経済、企業、市民社会などにも目を向けながら世界を考えます。鈴木教授の研究は、国際的な通商交渉と国内の政治過程を結びつけて分析する点で、まさにこうした学びにつながっています。
世界規模の経済の流れと、一つの国の内部で行われる政策決定の両方を見ることで、ニュースだけでは見えにくい国際社会の仕組みを考えることができます。
推薦入試では興味を「なぜ?」に変えてみよう
推薦入試を考えている高校生も、鈴木教授の研究テーマをそのまま自分のテーマにする必要はありません。教授の研究を知ることは、自分の興味を大学でどのような学問として深められるのかを考えるきっかけになります。
例えば国際ニュースを見るのが好きなら、「国際政治に興味があります」で止めず、「なぜこの交渉では合意できたのか」「なぜ同じ経済政策でも国によって反応が違うのか」と問いを具体的にしてみてください。
さらに、複数の資料を比較したり、自分の予想とは異なる説明を調べたりすることで、最初に持っていた考えが変わることもあります。そうした過程から、自分が大学で研究してみたい問題が少しずつ見えてきます。
鈴木一敏教授の研究から国際ニュースを深く見てみよう

鈴木一敏教授の研究を知ると、貿易摩擦や関税、経済制裁といったニュースの裏側には、国家間の関係だけでなく、国内政治や企業の利害、交渉の進め方など複雑な要素があることが分かります。
ニュースを見たときに結果だけを覚えるのではなく、「なぜこの結果になったのだろう」と原因や仕組みまで考えてみてください。さらに、シミュレーションのような方法で国際政治を研究できることを知れば、大学での学問のイメージも広がるでしょう。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


