
上智大学 外国語学部 ロシア語学科|虹は何色?秋山真一教授とことばの不思議を解くロシア語学ゼミ
- 1. 秋山真一教授のプロフィールと専門分野
- 2. 研究内容①|ロシア語の文はどのようにつくられる?
- 3. 研究内容②|自然な単語の組み合わせを考えるコロケーション
- 4. 研究内容③|ロシア語の発音をどう表す?
- 5. 秋山教授のメッセージ|ロシアの言葉や文化はロシア政府と同じではない
- 6. 担当授業|文法・作文からコーパス言語学まで
- 7. 秋山教授のゼミ|虹は何色?身近な疑問から言語を研究する
- 8. なぜ「虹は何色?」が言語学の研究になるのか
- 9. ゼミで考えられる研究テーマの例
- 10. 高校生のうちからできるロシア語学の学び
- 11. 推薦入試を目指す高校生へ|ことばへの関心を志望理由につなげる
- 12. まとめ|ことばの不思議から世界の見方を広げる
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部ロシア語学科の秋山真一教授についてご紹介します。
皆さんは、虹には何色あると思いますか?日本では「虹は七色」と教わることが多いですが、世界のすべての言語や文化で同じように色を分けているわけではありません。
私たちが当たり前だと思っていることも、別の言語を通して見ると、違った姿が見えてくることがあります。
秋山教授は、ロシア語の文法や語の組み合わせ、発音の表し方などを研究する言語学者です。ゼミでは、ロシア語だけでなく、ほかのスラブ諸語や旧ソ連圏の言語も視野に入れながら、ことばの仕組みを探究しています。
今回は、秋山教授の研究内容や担当授業、ゼミの特色を通して、ロシア語を言語学の視点から学ぶ面白さをご紹介します。
秋山真一教授のプロフィールと専門分野
秋山真一教授は、上智大学外国語学部ロシア語学科に所属する教授です。
主な専門分野は、ロシア語の統語論、コロケーション、教育用のロシア語音声表記です。
統語論とは、単語をどのように組み合わせて文をつくるのかを研究する分野です。
コロケーションとは、ある言語で自然によく一緒に使われる単語の組み合わせを指します。
また、教育用の音声表記では、ロシア語の発音を学習者にわかりやすく伝える方法が研究対象となります。
秋山教授は、ロシア語を使えるようになるための学習だけでなく、言語そのものの仕組みを理解する研究にも取り組んでいます。
研究内容①|ロシア語の文はどのようにつくられる?
日本語とロシア語では、文をつくる仕組みに大きな違いがあります。
例えば、日本語では「私は本を読む」のように、主語、目的語、動詞の順番で表現することが一般的です。
一方、ロシア語では、名詞の形が文の中での役割に応じて変化する「格変化」という仕組みがあります。
そのため、日本語や英語とは異なる語順の特徴を持っています。
ただし、ロシア語の語順が完全に自由というわけではありません。何を強調するのか、どの情報を新しく伝えるのかによって、自然な語順が変わることがあります。
こうした文の組み立て方を研究するのが統語論です。
言語の仕組みを比較することで、私たちが普段使っている日本語の特徴にも気づくことができます。

研究内容②|自然な単語の組み合わせを考えるコロケーション
外国語を勉強していると、単語の意味は合っているのに、不自然な表現になってしまうことがあります。
例えば、日本語では「約束を守る」と言いますが、英語では「keep a promise」と表現します。
日本語の「守る」をそのまま英語に置き換えればよいわけではありません。
このように、言語ごとに自然な単語の組み合わせが存在します。
ロシア語にも、特定の名詞と動詞、形容詞などが結びつきやすい組み合わせがあります。
コロケーションを研究することで、単語の意味だけでなく、実際にどのような表現が使われているのかを理解できます。
これは、自然なロシア語を身につけるためにも重要な視点です。
研究内容③|ロシア語の発音をどう表す?
ロシア語を学び始めると、キリル文字という文字体系に出会います。
アルファベットに似た形の文字もありますが、読み方が異なるものもあり、最初は戸惑うかもしれません。
さらに、ロシア語には日本語とは異なる音の区別があります。
例えば、子音の硬さと軟らかさの違いや、アクセントの位置によって母音の発音が変化することなどが特徴です。
こうした音を学習者にわかりやすく示すためには、どのような表記方法が適切なのかを考える必要があります。
秋山教授の専門分野である教育用のロシア語音声表記は、言語学の知識を外国語教育に結びつける研究といえます。
秋山教授のメッセージ|ロシアの言葉や文化はロシア政府と同じではない
秋山教授は、公式サイトのメッセージで、ロシアという国やロシア語に興味を持った人に、ロシア語学科で学んでほしいと呼びかけています。
そのうえで、ロシアの言葉や文化は、ロシア政府と同じものではないという考えを示しています。
ロシアや旧ソ連の人々は、文学や芸術、言葉を通して、政治や社会と向き合ってきた歴史があります。
現在の国際情勢の中で、ロシア語を学ぶことに迷いを感じる人もいるかもしれません。
しかし、国家の政策と、その国に暮らす一人ひとりの人間や文化を区別して考えることは重要です。
言語を学ぶことは、政府の政策に賛同することではありません。異なる社会に暮らす人々の考えや経験を理解するための手段にもなります。
秋山教授のメッセージからは、難しい国際情勢の中でも、人々の言葉や文化に目を向け続けることの大切さが伝わってきます。
担当授業|文法・作文からコーパス言語学まで
元原稿で紹介されている秋山教授の担当科目は、次のとおりです。
- 基礎ロシア語Ⅰ(文法・作文)
- 基礎ロシア語Ⅱ(ドリル)
- ロシア語文法研究
- ロシア語学
- 演習(ロシア語学)
- コーパス言語学と統計
「基礎ロシア語Ⅰ」では、ロシア語の文法や作文の基礎を学びます。
「基礎ロシア語Ⅱ」では、練習を重ねながら、ロシア語の知識を定着させることが期待されます。
「ロシア語文法研究」や「ロシア語学」では、ロシア語の仕組みをより専門的に考えます。
また、「コーパス言語学と統計」では、大量の言語データを分析する方法を学びます。
コーパスとは、実際に使われた文章や発話などを集め、検索・分析できるようにした言語資料のことです。
例えば、ある単語がどのような表現と一緒に使われることが多いのかを調べることで、言語の特徴を客観的に分析できます。
言語学とデータ分析を組み合わせることができる点も、現代の言語研究の魅力です。

秋山教授のゼミ|虹は何色?身近な疑問から言語を研究する
秋山教授の「演習(ロシア語学)」では、ロシア語を中心に、さまざまな言語の仕組みを研究します。
元原稿によると、ウクライナ語、ポーランド語、ブルガリア語などのスラブ諸語や、カザフ語、エストニア語などの旧ソ連圏の言語を研究する学生もいます。
また、ロシア語と日本語、英語、イタリア語、ペルシャ語などを比較する研究も行われています。
ゼミで扱われる問いには、次のようなものがあります。
- 虹は何色か
- 単数形なのに複数を表すとはどういうことか
- 能動態と受動態の中間にあたる中動態とは何か
- ある国の人を表す男性形と女性形の名詞は、どのように使われるのか
- ロシア語の方言にはどのような特徴があるのか
一見すると、日常の素朴な疑問のように思えるものもあります。
しかし、こうした問いを深く考えることで、言語と人間の認識、文化、社会の関係が見えてきます。
なぜ「虹は何色?」が言語学の研究になるのか
日本では、虹は七色と説明されることが一般的です。
しかし、色の区切り方や色を表す言葉は、言語や文化によって異なります。
例えば、ロシア語では、英語の「blue」に相当する色の範囲について、一般的に「синий(濃い青)」と「голубой(明るい青)」という基本的な色名が使われます。
このような違いは、人々が色をどのように分類し、言葉で表現しているのかを考える手がかりになります。
ただし、色を表す単語が異なるからといって、人間の目に見える色そのものが違うわけではありません。
重要なのは、同じ世界を見ていても、言語によって分類や表現の仕方が異なるということです。
秋山教授のゼミでは、こうした身近な疑問を出発点に、言語の仕組みを深く考えることができます。
ゼミで考えられる研究テーマの例
秋山教授の専門分野に関連して、次のような研究テーマが考えられます。以下は学習上の例であり、実際のゼミ生の研究実績を示すものではありません。
- ロシア語と日本語の語順の比較
- ロシア語の格変化と文の意味の関係
- ロシア語における自然な単語の組み合わせ
- ロシア語と日本語の色彩語の比較
- ロシア語の方言と地域差
- ロシア語とウクライナ語の文法比較
- ロシア語の発音を学習者にわかりやすく示す方法
- コーパスを用いたロシア語の語彙研究
- スラブ諸語における文法の共通点と違い
ロシア語を入り口に、ほかの言語との比較やデータ分析へと研究を広げられることが、このゼミの特徴です。
高校生のうちからできるロシア語学の学び
言語学に興味がある人は、まず日本語と英語の違いを考えてみましょう。
例えば、同じ意味を表す文でも、語順や単語の使い方が異なることがあります。
また、ロシア語のキリル文字を調べて、日本語や英語とは異なる文字体系に触れてみるのもおすすめです。
さらに、色の名前や家族の呼び方など、身近な言葉を複数の言語で比較すると、興味深い発見があるかもしれません。
大切なのは、単語を覚えるだけでなく、「なぜこのような表現になるのか」「ほかの言語ではどう表すのか」と疑問を持つことです。
こうした小さな疑問が、大学での言語学研究につながります。

推薦入試を目指す高校生へ|ことばへの関心を志望理由につなげる
上智大学外国語学部ロシア語学科の推薦入学試験(公募制)を目指す場合は、ロシア語や言語学への関心を、大学で探究したいテーマにつなげることが大切です。
例えば、英語と日本語の文法を比べて面白さを感じた経験があるなら、「言語によって文の組み立て方が異なるのはなぜか」という問いへ発展させられます。
また、ロシアの文学や音楽、バレエなどに触れた経験がある場合は、ロシア語を通して文化や人々の考え方を理解したいという目標につなげることもできます。
出願書類や面接では、「なぜロシア語を学びたいのか」「なぜ言語学に関心があるのか」「なぜ上智大学外国語学部ロシア語学科なのか」を具体的に説明しましょう。
ロシア語を習得し、日本語やほかの言語との違いを研究しながら、ことばと人間の認識の関係を考えたいという目標は、語学学習と言語学研究を結びつける一つの方向性です。
また、国際情勢に関心がある場合は、国家の政策と人々の生活や文化を区別して考える姿勢も重要です。
ただし、特定の教員の研究に関心があるだけで合格に有利になるわけではありません。自分自身の経験や問題意識を具体的に伝えることが重要です。
出願資格や選考方法については、必ず対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
まとめ|ことばの不思議から世界の見方を広げる
秋山真一教授は、ロシア語の統語論やコロケーション、教育用の音声表記を専門とする言語学者です。
ゼミでは、ロシア語だけでなく、スラブ諸語や旧ソ連圏の言語も視野に入れながら、ことばの仕組みを研究します。
「虹は何色か」という身近な疑問から、言語と文化、人間の認識の関係を考えられることも魅力です。
また、秋山教授のメッセージからは、国家の政策と人々の文化を区別し、言語を通して社会を理解することの大切さが伝わってきます。
ことばの仕組みに興味があり、ロシア語を通して世界の見方を広げたい人は、上智大学外国語学部ロシア語学科での学びにぜひ注目してみてください。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。
※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


