上智大学外国語学部英語学科で言語と音の仕組みを学ぶイメージ

上智大学 外国語学部 英語学科|合唱も裏声も研究対象!北原真冬教授の「音」を科学する実験ゼミ

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。今回のテーマは、上智大学外国語学部英語学科の北原真冬教授についてご紹介します。

皆さんは、英語の発音を練習していて、「何度聞いてもLとRの違いがわからない」と感じたことはありませんか。

また、同じ言葉でも、人によって声の高さや話し方が違うのに、なぜ私たちは同じ言葉だと理解できるのでしょうか。

実は、こうした身近な疑問は、大学で科学的に研究できるテーマです。

北原真冬教授は、音声学、音韻論、認知科学を専門とし、人間が言語の音をどのように発し、聞き取り、理解しているのかを研究しています。

さらに、研究対象は英語の発音だけではありません。合唱や合奏、裏声と地声、雑音の中での聞き取りなど、私たちの生活に身近な「音」も研究対象になります。

今回は、北原教授の研究内容や担当授業、実験を重視するゼミの特色についてご紹介します。


北原真冬教授のプロフィール

北原真冬教授は、上智大学外国語学部英語学科に所属し、音声学、音韻論、認知科学などを専門とする研究者です。

音声学は、人間が言葉を発するときに、口や舌、声帯などをどのように使っているのか、また、その音がどのような性質を持つのかを科学的に調べる学問です。

音韻論は、言語の中で音がどのような規則に従って使われ、意味の区別に関わっているのかを研究する分野です。

さらに、認知科学では、人間が情報を知覚し、記憶し、理解する仕組みなどを幅広く研究します。

これらの分野は互いに深く関係しています。

例えば、英語の音を聞き取るという行為には、耳に届く音の物理的な性質だけでなく、その音を脳がどのように処理するのかという問題も関わっています。

北原教授は、こうした複雑な仕組みを実験やデータ分析を通して明らかにしようとしています。

大学で英語の音声や言語の仕組みについて学ぶ学生

音声学とは?言葉の音を科学的に調べる学問

音声学は、言葉の音を科学的に研究する学問です。

私たちは普段、特に意識することなく日本語を話しています。

しかし、一つひとつの音を発するとき、口の中ではさまざまな動きが起きています。

例えば、「た」と「だ」は似た音ですが、声帯の振動の有無などに違いがあります。

また、英語の「th」の音を発するときには、日本語ではあまり使わない舌の動きが必要になります。

音声学では、こうした音の作られ方を調べるだけでなく、音の高さや長さ、強さなども研究対象とします。

音は空気の振動として伝わるため、録音した音声を分析することで、目には見えない音の特徴を調べることもできます。

例えば、音声分析ソフトを使うと、音の波形や周波数の分布などを確認できます。

普段は耳で聞いている言葉を、数値や図として捉えられることが、音声学の面白さの一つです。


研究テーマ① なぜ日本語話者は英語のLとRを聞き分けにくい?

英語の発音を学ぶ高校生にとって、LとRの違いは身近なテーマではないでしょうか。

例えば、英語の「light」と「right」は、最初の子音が異なる単語です。

しかし、日本語を母語とする人の中には、この二つの音を聞き分けることが難しいと感じる人もいます。

その背景には、日本語と英語で、音を区別する仕組みが異なることが関係しています。

日本語のラ行の音は、一般的な英語のLやRとは異なる特徴を持っています。

そのため、英語の音を聞いたときに、日本語で使い慣れた音のカテゴリーに当てはめて理解しようとすることがあります。

音声学や音韻論では、こうした言語による音の違いを調べます。

また、学習者がどのような音の違いに注意を向けると聞き分けやすくなるのかといった問題も、関連する研究分野で扱われています。

「発音が苦手だから仕方がない」と考えるのではなく、なぜ難しく感じるのかを科学的に調べることができるのです。


研究テーマ② 音韻論は言語の音のルールを探る

音韻論は、言語の中で音がどのように組み合わされ、どのような規則に従って使われるのかを研究する分野です。

例えば、日本語では「ん」で始まる一般的な単語はほとんどありません。

一方、世界には日本語とは異なる音の並び方を持つ言語が数多く存在します。

また、英語では単語のアクセントの位置が、発音や聞き取りに大きく関係することがあります。

日本語と英語では、音の高さや強さ、リズムの使われ方にも違いがあります。

音韻論では、こうした違いを一つひとつ調べながら、言語ごとの音の規則性を明らかにしていきます。

さらに、音の情報が人間の頭の中でどのように整理されているのかという問題も重要です。

同じ言葉でも、話す人や状況によって音が少し変わることがあります。

それでも私たちが同じ単語として理解できるのはなぜでしょうか。

こうした疑問を考えることも、音韻論や認知科学につながっています。

英語のリスニングや発音について学習する高校生

研究テーマ③ 認知科学から音の聞き取りを考える

北原教授の専門分野には、認知科学も含まれています。

認知科学では、人間が周囲の情報をどのように受け取り、理解し、判断しているのかを研究します。

例えば、にぎやかな場所で友人と会話している場面を想像してみてください。

周囲にはさまざまな声や物音があるにもかかわらず、私たちは話し相手の言葉に注意を向けて聞き取ることができます。

しかし、雑音が大きくなると、聞き取りが難しくなることもあります。

こうした状況では、耳に届く音の性質だけでなく、注意の向け方や、聞き慣れた言葉についての知識なども関係していると考えられます。

また、同じ音声を聞いても、人によって聞き取り方が異なることがあります。

その違いがどこから生まれるのかを調べることは、人間の言語理解の仕組みを考えるうえで重要です。

音を聞くという日常的な行為にも、さまざまな認知の仕組みが関わっているのです。


担当授業|世界の言語の音から英語音声学まで

北原教授の教員紹介資料では、言語の音や多様性、英語音声学、音韻論などに関する授業が紹介されています。

主な担当科目として、次のようなものが挙げられます。

  • The Sounds and Varieties of Languages
  • English Composition
  • 英語音声学
  • 音韻論
  • 言語研究に関するセミナー

The Sounds and Varieties of Languagesでは、世界の言語の音や、その多様性について考えることができます。

英語にも、地域や話者によってさまざまな発音の違いがあります。

例えば、イギリス英語とアメリカ英語では、一部の母音や子音の発音に違いが見られます。

また、英語は世界各地で使われているため、地域ごとに多様な発音の特徴があります。

こうした違いを学ぶことは、英語の発音を一つの形だけで捉えず、言語の多様性を理解することにもつながります。

さらに、英語音声学や音韻論の授業では、音の仕組みを専門的に学ぶことができます。

なお、担当科目や開講状況は年度によって変更される場合があります。最新の履修情報を確認してください。


北原ゼミの特色|「音」に関する疑問を実験で研究する

北原教授のゼミでは、「音に関係することを実験を通じて研究する」ことが重視されています。

研究対象は、英語や日本語などの言語音だけではありません。

提供されたゼミ紹介資料では、次のようなテーマが紹介されています。

  • さまざまな言語の音声
  • 合唱や合奏
  • 裏声と地声
  • 雑音の中での聞き取り

例えば、合唱では、複数の人が同時に声を出すことで、一人で歌う場合とは異なる音の特徴が生まれます。

また、裏声と地声では、声帯の振動の仕方などに違いがあります。

こうした違いを録音や音声分析などの方法で調べることは、音声に関する研究の一例として考えられます。

さらに、雑音の中での聞き取りを研究する場合には、雑音の大きさや種類を変えながら、聞き取りやすさがどのように変化するのかを調べる方法も考えられます。

大切なのは、興味を持った現象について、どのような実験を行えば確かめられるのかを考えることです。

身近な疑問を科学的な研究テーマへと発展させられる点が、北原ゼミの魅力と言えるでしょう。


実験では何をする?仮説からデータ分析まで

音声学や認知科学の研究では、実験を行う前の準備が重要になります。

例えば、「雑音が大きいほど英語の聞き取りが難しくなるのではないか」という疑問を持ったとしましょう。

この場合、まず何を調べたいのかを明確にします。

次に、どのような音声を使うのか、雑音の大きさをどのように設定するのか、聞き取りの結果をどのように測定するのかを考えます。

実験を行った後は、得られたデータを整理し、予想した結果と一致しているかどうかを分析します。

もし予想と異なる結果が出た場合には、その理由について考える必要があります。

実験の条件に問題があったのか、それとも最初の仮説を見直す必要があるのか。

こうした検討を重ねることが、科学的な研究の基本です。

北原教授の教員紹介資料でも、複雑な音の現象の中から、一つの実験で扱える範囲を適切に設定することの重要性が示されています。

研究では、興味深い疑問を見つけるだけでなく、それを実際に調べられる形にする力が求められるのです。

大学で実験やデータ分析を通して言語の音を研究する学生

卒業論文は必須?北原ゼミの学び方

提供されたゼミ紹介資料では、北原ゼミでは卒業論文の執筆を義務としていない旨が紹介されています。

その背景には、学生が自分の関心を大切にしながら、実験や研究に取り組む経験を重視する考え方があります。

ただし、卒業論文の扱いや卒業要件、ゼミでの評価方法などは、年度や履修制度によって変更される可能性があります。

そのため、実際の履修を考える際には、最新の学科案内や履修要覧などを確認することが必要です。

大学での研究は、必ずしも最初から明確な答えがわかっているものではありません。

自分の疑問を出発点に、実験方法を考え、結果を分析し、そこから新しい問いを見つけていくことにも大きな意味があります。

音についての興味を、科学的な探究へと発展させられることが、このゼミの特徴です。


高校生活とのつながり|合唱部や吹奏楽部の経験も研究の入り口に

北原教授の研究分野は、高校生活のさまざまな経験と結びついています。

例えば、合唱部に所属している人は、複数の人が声を合わせるときに、音の高さや響きがどのように変わるのか疑問を持ったことがあるかもしれません。

吹奏楽部で活動している人は、楽器によって音色が異なる理由に興味を持つこともあるでしょう。

また、英語のリスニングが好きな人であれば、話す人によって聞き取りやすさが異なることに疑問を持つかもしれません。

こうした経験から、音の性質や人間の聞き取りの仕組みについて考えることができます。

理科の実験が好きな人にとっても、仮説を立て、データを集め、結果を分析する研究方法は魅力的に感じられるでしょう。

英語学科というと、文学や異文化理解を中心に学ぶイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、実際には音声学や認知科学のように、実験やデータ分析を通して言語を研究する分野もあります。


推薦入試を目指す高校生へ|発音への疑問を研究テーマにつなげよう

上智大学外国語学部英語学科の推薦入試を考えている皆さんは、英語の発音や音に関する興味を、大学で学びたい内容と結びつけて考えてみましょう。

例えば、英語のLとRを聞き分けることが難しいと感じた経験から、「なぜ日本語話者にとって、この二つの音の区別が難しいのだろう」という疑問を持つことができます。

また、海外の映画や動画を観て、地域による英語の発音の違いに興味を持った人もいるでしょう。

その場合、英語の発音が地域や話者によってどのように異なるのかを調べることができます。

さらに、音楽活動の経験がある人は、歌声や楽器の音について、どのような違いを感じてきたのかを振り返ってみるとよいでしょう。

大切なのは、「発音が上手になりたい」「音楽が好き」という気持ちだけで終わらせず、そこから具体的な疑問を見つけることです。

例えば、音声学の入門書を読んだり、英語と日本語の音の違いについて調べたりすることで、研究への関心を深められます。

なお、特定の教員の研究に関心を持つことが推薦入試で有利になるわけではなく、入学後に必ずその教員のゼミに所属できるとも限りません。


まとめ|言葉と音の不思議を科学的に解き明かす

北原真冬教授は、音声学、音韻論、認知科学を専門とし、言語の音や人間の聞き取りの仕組みについて研究しています。

研究対象は英語の発音だけでなく、合唱や合奏、裏声と地声、雑音の中での聞き取りなど、幅広い音の現象に及びます。

北原ゼミでは、自分の関心から生まれた疑問を、実験やデータ分析を通して科学的に探究することが重視されています。

英語の発音やリスニングに興味がある方、音楽活動の経験を研究につなげたい方、実験やデータ分析が好きな方は、北原教授の研究をきっかけに、音声学や認知科学について調べてみてはいかがでしょうか。

KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試を目指す高校生に向けて、出願書類の準備や面接対策などのサポートを行っています。受験準備についてお悩みの方は、お気軽に無料個別相談をご利用ください。

※本記事は、提供された記事案をもとに作成しています。教員の所属・職位・研究内容・担当科目・ゼミの活動内容・卒業論文の扱いなどは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。