上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|横田幸恵准教授の金属ナノ構造と光機能材料研究

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の横田幸恵准教授と、貴金属ナノ粒子の性質を生かした光機能材料の研究」です。

「金は金色」と聞けば、アクセサリーのような金属を思い浮かべる人が多いでしょう。ところが、金をナノメートルという非常に小さなサイズまで小さくすると、私たちが普段目にする金とは異なる光学的な性質が現れます。今回は、そんなナノサイズの世界から新しい材料の可能性を探る横田幸恵准教授の研究を紹介します。


横田幸恵准教授はどのような研究者?

横田幸恵准教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科に所属し、金属ナノ構造の合成と新規光材料の開発を研究しています。上智大学の公式情報では、研究キーワードとして「光化学」「プラズモニクス」が挙げられています。

横田准教授は北海道大学で博士(情報科学)の学位を取得し、その後、理化学研究所や東京理科大学などで研究に携わったのち、2020年に上智大学 理工学部 物質生命理工学科へ着任しました。現在は准教授として研究・教育に取り組んでいます。

研究対象の中心となっているのが、金やパラジウムなどの「貴金属ナノ粒子」です。ナノメートルとは1メートルの10億分の1という非常に小さな単位です。物質をこのサイズまで小さくすると、大きな金属のかたまりとは異なる性質が現れることがあります。


金を小さくすると「色」が変わる?

横田准教授の研究を理解する入口として面白いのが、金属ナノ粒子と光の関係です。

上智大学の教員紹介では、金はナノメートルレベルまで小さくすると、金ナノ粒子が赤色に見えることなどが紹介されています。物質そのものは同じ金なのに、大きさが変わることで光との相互作用が変化するのです。

その背景にある現象の一つが「プラズモン共鳴」です。金属内部には比較的自由に動ける電子があり、ナノサイズの金属に特定の光が当たると、電子が集団的に振動します。その結果、特定の波長の光を強く吸収したり散乱したりする性質が現れます。

高校の物理で学ぶ「光」や「波」、化学で学ぶ「金属」「原子」「電子」といった内容が、大学ではナノ材料の光学特性を理解するための土台になっていくのです。


ナノ粒子の「形」や「距離」まで設計する

横田准教授の研究では、単に金属を小さくすればよいわけではありません。上智大学の公式情報によると、貴金属ナノ粒子の形状やサイズ、結晶面、さらにナノ構造同士の距離などを精密に制御する合成方法を研究しています。

ナノスケールでは、粒子の大きさや形、粒子同士の配置などによって光に対する性質が変化します。そのため、「どのような構造をつくれば、必要な波長の光を効率よく利用できるのか」という問いが重要になります。

これは料理のように決められた手順を繰り返すだけの実験ではありません。条件を変え、得られた粒子の構造や性質を測定し、「なぜこの結果になったのか」を考え、次の実験を設計する必要があります。仮説と実験を行き来しながら物質の性質を理解していくところに、材料科学の面白さがあります。


光を使って微量の物質を調べる研究

横田准教授は、作製した貴金属ナノ粒子を利用した高感度なラマン・蛍光微量分析チップの構築にも取り組んでいます。

ラマン散乱とは、物質に光を当てたときに起こる光の変化から、その物質についての情報を得る方法です。ただし、通常のラマン散乱は信号が弱いという特徴があります。そこで金属ナノ構造と光の相互作用を利用し、微弱な信号を捉えやすくする研究が行われています。

上智大学の研究紹介では、こうした貴金属ナノ粒子の光学特性や触媒能力について、医療や環境浄化への活用も視野に研究していることが紹介されています。

ただし、新しい材料をつくれば社会課題がすぐに解決するわけではありません。性能だけでなく、安全性や耐久性、コスト、再利用のしやすさなど、実際に技術を利用するまでにはさまざまな課題があります。研究とは、その一つひとつをデータによって確かめていく過程でもあります。


微弱な光を生かす光触媒の研究も

横田准教授は、貴金属ナノ粒子を光触媒へ応用する研究にも取り組んでいます。光触媒とは、光のエネルギーを利用して化学反応を促進する材料です。

上智大学の公式情報では、微弱光を利用したリサイクル可能な光触媒への応用を目指す研究が紹介されています。また、近年の研究課題として「微弱光を高効率に用いる貴金属ナノ粒子光触媒の開発」も確認できます。

ここでも重要なのは、「光を使うから環境に優しい」と単純に考えないことです。材料をつくるために必要な資源やエネルギー、触媒の寿命、回収や再利用などまで含めて考える必要があります。科学技術を社会との関係から考えるときには、メリットだけでなく条件や課題にも目を向けることが大切です。


高校の化学・物理からナノ材料研究へ

横田准教授の研究は、高校で学んでいる内容からは遠い最先端研究に見えるかもしれません。しかし、その入口には高校の学習とのつながりがあります。

たとえば化学で学ぶ原子や電子、化学結合、酸化還元、金属の性質。物理で学ぶ光や波、電磁波。数学で学ぶグラフや関数、データの扱い方。こうした基礎が、大学では「物質の構造と性質にはどのような関係があるのか」「光と物質はどのように相互作用するのか」という問いへ発展していきます。

上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学、環境科学、材料工学などを複合的に学ぶ教育が行われています。実際に横田准教授は「金属・電子材料」も担当しており、物質を原子・電子レベルから理解し、材料としての機能につなげて考える学びがあります。


推薦入試に向けて「興味」を一段深くしてみよう

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考えている人にとって、教員の研究を調べることは、自分が大学で何を学びたいのかを具体化するきっかけになります。

たとえば「ナノテクノロジーに興味があります」だけで終わらず、「なぜ同じ金でも粒子の大きさによって色が変わるのだろう」「光を利用して微量な物質を検出するにはどのような材料が必要なのだろう」と疑問を掘り下げてみましょう。

高校の実験で予想と異なる結果が出た経験、身近なセンサーへの疑問、光触媒について調べた探究活動なども、自分の興味を考える入口になります。大切なのは経験の派手さではなく、そこから何を疑問に思い、何を調べ、大学でさらに何を知りたいと思ったのかを整理することです。

研究テーマを高校生の段階で完全に決める必要はありません。横田准教授の研究を知ったことをきっかけに、身の回りの材料や光を「なぜこの性質になるのだろう」という視点で見直してみてください。そこから生まれた疑問を調べていくことで、自分の興味と上智大学 理工学部 物質生命理工学科での学びとのつながりも少しずつ見えてくるはずです。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。



※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。