上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 下川雅嗣教授とは?開発経済学・国際政治経済論から貧困と格差を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「下川雅嗣教授の研究と、総合グローバル学科で学べる開発経済学・貧困問題について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、貧困や格差を経済学の視点から研究しているのが下川雅嗣教授です。現在は総合グローバル学部の教授で、専門は開発経済学、国際政治経済論、グローバル化と貧困問題です。アジア各国の都市部に暮らす貧困層やインフォーマルセクターにも注目し、「なぜ貧困が生まれるのか」「その構造をどう変えられるのか」を考えています。


下川雅嗣教授は何を研究している?

下川教授の研究で重要なのは、貧困を個人だけの問題として考えないことです。仕事がない、収入が少ないという目の前の状況だけではなく、その背景にどのような経済や社会の仕組みがあるのかを分析します。

例えば、土地を利用できない、事業を始めたくても融資を受けられない、商品を売る市場へ十分にアクセスできない、必要な技術を得られないといった条件が重なると、本人が努力していても生活を改善することが難しくなる場合があります。

下川教授は、こうした貧困を生み出す障壁を経済学的に分析するとともに、貧困地域で暮らす人々自身がどのような工夫や活動を行っているのかにも注目しています。


インフォーマルセクターとは?

下川教授の研究を知るうえで覚えておきたい言葉が「インフォーマルセクター」です。これは、露天商や行商、廃品回収など、近代的な企業や公的な雇用制度の枠組みに入りにくい経済活動を指します。

こうした仕事をしている人々を、単に「遅れた経済の中にいる人」と見るのではなく、どのように仕事を生み出し、生活を成り立たせているのかを見ることが大切です。

下川教授は、インフォーマルセクターの小規模事業者や貧困地域で暮らす人々が持つ力や可能性にも注目しています。外部から一方的に支援するという考え方だけではなく、そこに暮らす人々自身がどのように状況を変えようとしているのかを見る研究です。


スラムを違う視点から見る

下川教授は、発展途上国のスラムについても研究しています。スラムという言葉を聞くと、「貧しく危険な場所」「なくしたほうがよい場所」といったイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし下川教授は、そこに暮らす人々の側から見ることの重要性を示しています。農村で生活を続けることが難しくなった人が都市へ移り、自分たちで生活の場をつくった結果としてスラムが形成される場合もあります。

つまり、同じ場所でも政府や都市計画の側から見るのか、そこで暮らす人の側から見るのかによって意味が変わります。地域の現実を一面的に判断しないことは、総合グローバル学科で社会問題を学ぶうえでも重要な視点です。


グローバル化はすべての人を豊かにする?

下川教授の研究では、経済のグローバル化と貧困・格差の関係も大きなテーマです。国境を越えて企業が活動し、商品やお金、人が動くことで、新しい仕事や市場が生まれることがあります。一方で、その利益が社会のすべての人に同じように届くとは限りません。

経済成長が進んでいても、生活が苦しくなる人がいたり、特定の地域や働き方が取り残されたりする場合があります。だからこそ、「経済が成長したか」だけではなく、「誰の生活がどのように変わったのか」という視点も必要になります。

下川教授の研究は、グローバル化を良いもの、悪いものと単純に評価するのではなく、どのような仕組みの中で利益や負担が生まれているのかを考えるものです。


高校生なら身近な買い物から考えられる

貧困や国際経済というテーマは遠く感じるかもしれませんが、普段の生活からも問いをつくることができます。

例えば、安く購入できる服や食品は、どの国で、どのような人によって生産されているのでしょうか。商品の価格が安くなることで消費者にはメリットがありますが、生産地で働く人々の賃金や労働環境にはどのような影響があるのでしょうか。

「安い商品を買うことは悪い」と結論づける必要はありません。企業、生産者、労働者、消費者、政府など、それぞれの立場から考えることで、国際経済の複雑さが見えてきます。


下川教授の授業では経済学から貧困の構造を考える

現在、下川教授は「国際経済学」「国際政治経済論」などを担当しています。授業では、市場の仕組みや国際貿易といった経済学の基礎を学びながら、貧困国や貧困状態にある人々がなぜ発展しにくいのかを構造的に考えていきます。

また、貧困地域で暮らす人々自身の取り組みや、それを国家、国際機関、NGOなどがどのように支えられるのかも研究対象となっています。

貧困について「かわいそうだから助ける」という視点だけではなく、なぜその状況が生まれているのかを分析し、当事者自身の力にも目を向けるところに、開発経済学を学ぶ面白さがあります。


総合グローバル学科の市民社会・国際協力論とどうつながる?

下川教授は、総合グローバル学部の市民社会・国際協力論領域を担当しています。貧困という一つの問題を考える場合でも、経済だけでなく、国際機関、国家、NGO、地域社会など多くの主体が関係します。

総合グローバル学科では、世界規模の経済構造を見る視点と、特定の地域で暮らす人々を見る視点の両方を持つことができます。下川教授の研究は、その二つをつなぐ学びの一例といえるでしょう。


推薦入試では社会問題の「原因」まで調べてみよう

推薦入試を考えている高校生も、下川教授の研究テーマに自分の興味を合わせる必要はありません。教授の研究を知ることは、自分が関心を持っている社会問題を、大学でどのように研究できるのかを考えるきっかけになります。

例えば探究活動で貧困について調べたのであれば、「貧困をなくすべきだ」で終わらず、なぜ貧困が生まれるのか、どのような制度が関係しているのか、当事者自身はどのような取り組みをしているのかまで調べてみてください。

一つの問題を複数の立場から見ながら、自分なりの問いを深めていくことで、大学で学びたい内容も少しずつ具体的になっていきます。


下川雅嗣教授の研究から貧困と格差を考えてみよう

下川雅嗣教授の研究を知ると、貧困や格差は数字だけでは理解できず、その背景にある社会や経済の仕組み、そしてそこで暮らす人々の行動まで見る必要があることが分かります。

ニュースで貧困や格差について知ったとき、「支援が必要だ」と考えるだけでなく、「なぜこの状況が生まれたのだろう」「当事者はどのように状況を変えようとしているのだろう」と一歩深く考えてみてください。その問いが、総合グローバル学科で学びたいテーマにつながるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。