上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 澤江史子教授とは?トルコ現代政治・イスラーム地域研究から宗教と政治を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「澤江史子教授の研究と、総合グローバル学科で学べるトルコ現代政治・イスラーム地域研究について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、トルコを中心とした政治や社会について研究しているのが澤江史子教授です。現在は総合グローバル学部総合グローバル学科の教授で、専門はトルコ現代政治社会論、イスラーム地域研究、比較政治学です。研究キーワードには、トルコ政治、イスラーム主義と世俗主義、マイノリティ問題、ポピュリズム、公共性などが挙げられています。


澤江史子教授は何を研究している?

澤江教授の研究を理解するうえで重要なのが、宗教と政治の関係です。特にトルコを中心に、イスラームを背景とする政治運動や、世俗主義と呼ばれる考え方、政党政治、社会の変化などを研究しています。

世俗主義とは、簡単にいえば政治や国家の制度と宗教との関係をどのように整理するのかという考え方です。ただし、宗教と政治を完全に切り離せばよいという単純な話ではありません。国によって歴史も制度も異なり、宗教が社会の中で果たしてきた役割も違います。

そのため、トルコの政治を理解するには、選挙結果や政党だけでなく、宗教、歴史、社会、人々の価値観なども合わせて考える必要があります。


トルコから考える「宗教と民主主義」

トルコは、イスラーム教徒が人口の多数を占める一方で、共和国として世俗主義を掲げてきた歴史があります。その中で、イスラームを重視する政治勢力も政治に参加し、政権を担ってきました。

こうした動きを見ると、「宗教と民主主義は両立するのか」という問いが浮かんできます。しかし、イスラームだから民主主義とは相いれない、あるいは宗教を政治から排除すれば民主的になる、と単純に結論づけることはできません。

澤江教授の研究では、トルコという具体的な社会を見ながら、イスラーム主義や世俗主義、政党、市民社会などがどのように関係しているのかを考えていきます。政治制度だけでなく、その制度が地域社会の中でどのように受け止められているのかを見ることが重要なのです。


一つの国を「西洋の基準」だけで判断しない

海外の政治について学ぶとき、私たちは無意識のうちに自分が知っている社会の常識を基準にしてしまうことがあります。「日本とは違う」「欧米とは違う」という比較だけで、その国の政治を評価してしまうこともあるでしょう。

地域研究では、その社会がどのような歴史を経験し、人々がどのような考え方を持ち、現在の政治制度がどのようにつくられてきたのかを丁寧に調べます。

トルコについても、宗教的な価値観が政治に現れているからという理由だけで一面的に評価するのではなく、トルコ社会の内部から見た政治の意味を考えることが必要です。こうした姿勢は、異なる国や文化について考えるときにも役立ちます。


マイノリティやポピュリズムも研究につながる

澤江教授の現在の研究キーワードには、マイノリティ問題やポピュリズムも含まれています。マイノリティとは、民族、宗教などの面で社会の中の少数派となっている人々を指します。

また、ポピュリズムという言葉も近年の政治ニュースで目にする機会が増えました。ただし、特定の政治家を簡単に「ポピュリスト」と分類して終わるのではなく、なぜその主張が支持されるのか、社会にどのような不満や分断があるのかまで考えることが大切です。

宗教、ナショナリズム、マイノリティ、政党政治などは別々の問題に見えますが、実際の社会では互いに影響し合っています。そこに地域研究と比較政治学を組み合わせる面白さがあります。


澤江教授のゼミではどのようなテーマを学べる?

現在、澤江教授は中東・アフリカ研究領域のゼミを担当しています。ゼミでは、近代以降の中東の国家や社会、西洋社会で暮らすムスリム・マイノリティなどを対象に、ナショナリズム、宗教復興、国内・国際紛争、ジェンダーなど幅広いテーマを学生が研究しています。

特徴的なのは、中東やイスラームについて学ぶだけで終わらず、そこで考えた問題を日本社会にも引きつけて考える点です。

例えば、「宗教に対して自分はどのようなイメージを持っているのか」「外国にルーツを持つ人々を社会はどのように見ているのか」と考えることで、自分自身の固定観念に気づくこともあります。異文化について学ぶことは、自分の社会を見直すことにもつながるのです。


高校生ならニュースの見方を少し変えてみよう

澤江教授の研究に興味を持ったら、中東やトルコについてのニュースを見たときに、その背景を一歩深く調べてみてください。

例えば、「なぜ宗教を重視する政党が支持されるのだろう」「世俗主義とは実際にはどのような制度なのだろう」「少数派の人々は政治の中でどのような立場に置かれているのだろう」といった問いが考えられます。

SNSで宗教や移民について強い意見を見かけたときにも、一つの投稿だけを信じるのではなく、誰が発信しているのか、どのような歴史的背景があるのか、別の立場からはどのように見えるのかを調べてみるとよいでしょう。


総合グローバル学科の中東・アフリカ研究とどうつながる?

澤江教授は、総合グローバル学部の中東・アフリカ研究領域を担当しています。トルコという一つの国を詳しく調べながら、宗教、民主主義、マイノリティ、ナショナリズム、ジェンダーなど、世界各地にも関わる問題へ視野を広げることができます。

総合グローバル学科で地域研究を学ぶ意味は、世界中の国について浅く知識を増やすことだけではありません。一つの地域に入り込み、その地域の歴史や社会を理解したうえで、世界規模の問題とのつながりを考えることにもあります。


推薦入試では自分の「当たり前」を問い直してみよう

推薦入試を考えている場合も、澤江教授の研究テーマに自分の関心を合わせる必要はありません。教授の研究を知ることは、「自分が大学で何を学びたいのか」を具体的にするための一つのきっかけです。

例えばイスラームに関心があるなら、「イスラームについて学びたい」で終わらず、なぜ関心を持ったのか、自分はどのようなイメージを持っているのか、そのイメージはどの情報から形成されたのかまで考えてみてください。

自分とは異なる考え方に出会ったとき、すぐに正しい、間違っていると判断せず、「なぜそのように考えるのだろう」と問いを持つことで、関心をさらに深めることができます。


澤江史子教授の研究から世界の見方を広げよう

澤江史子教授の研究を知ると、宗教と政治、民主主義、マイノリティといった問題は、一つの価値観だけでは理解しにくいことが分かります。トルコという具体的な地域を深く知ることによって、世界を見る自分自身の視点も問い直すことができます。

ニュースで知らない国や文化に出会ったとき、「自分たちとは違う」で終わらせず、なぜそのような社会になったのかまで調べてみてください。その疑問が、総合グローバル学科で取り組みたい研究テーマへつながっていくかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。