上智大学理工学部情報理工学科の推薦入試で思考力をどう見せるか?伝え方のポイントを解説
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学理工学部情報理工学科の推薦入試で思考力をどう見せるか?」です。
推薦入試では、情報や数学の知識だけでなく、思考力も大切に見られます。
ただ、「思考力」と言われても、何をどう伝えればよいのかわかりにくいですよね。
難しい専門用語をたくさん使えばよいわけでも、最先端の技術について詳しく語れればよいわけでもありません。
大切なのは、自分がどのような問いを持ち、どのように考えを深めてきたのかを、自分の言葉で伝えることです。
今回は、上智大学理工学部情報理工学科を目指す高校生に向けて、出願書類や面接で問われる志望理由の中で思考力をどう見せるかを解説します。
思考力とは難しいことを言う力ではない
思考力というと、難しい計算や専門的な言葉を使う力だと思う人もいるかもしれません。
もちろん、情報理工学科では数学的な考え方や専門知識も大切になります。
しかし、推薦入試で見られる思考力は、それだけではありません。
自分の経験や興味について、「なぜそう思ったのか」「別の見方はないか」「その技術は誰の役に立つのか」と考えられているかが重要です。
たとえば、「AIに興味があります」で終わるのではなく、「AIが便利になる一方で、判断の偏りや責任の問題についても考えたい」と言えると、思考の深さが伝わります。
思考力とは、自分の興味を一歩深く見つめる力です。
問いを持つことで思考力が伝わる
思考力を見せる第一歩は、自分なりの問いを持つことです。
情報理工学科では、技術をただ使うだけでなく、その仕組みや社会への影響を考えます。
そのため、「何を疑問に思っているのか」がとても大切です。
たとえば、次のような問いが考えられます。
- AIはどのように人間の言葉や画像を認識しているのか
- 便利なアプリと個人情報の保護はどう両立できるのか
- 誰にとっても使いやすいシステムとはどのようなものか
- データを活用するとき、どのような偏りに注意すべきか
問いは最初から完璧である必要はありません。
日常の中で感じた違和感や疑問を、情報理工学科の学びにつながる形で整理することが大切です。
一つの答えで終わらせない
思考力を伝えるうえで大切なのは、すぐに一つの答えに決めつけないことです。
情報技術には、便利な面と課題の両方があります。
たとえば、AIによる自動化は仕事や生活を効率化する可能性があります。
一方で、AIの判断が本当に公平なのか、人間の仕事はどう変わるのか、個人情報は適切に扱われるのかといった課題もあります。
このように、物事には複数の面があります。
推薦入試では、正解を早く出すことよりも、さまざまな視点から考えられる姿勢が大切です。
「便利だから良い」「危険だから悪い」と単純に決めず、利点と課題を両方見ようとする姿勢を大切にしましょう。
比較すると考えが深まる
思考力を見せる方法の一つが、比較することです。
たとえば、同じアプリでも若い人には使いやすく、高齢者には使いにくい場合があります。
同じデータでも、集め方や見せ方によって受け取り方が変わることがあります。
オンライン授業も、移動時間がなくなるという利点がある一方で、集中しにくい、質問しづらいと感じる人もいます。
比較することで、「便利」「不便」だけではなく、「誰にとって」「どの場面で」「なぜそう感じるのか」を考えられるようになります。
この視点は、情報理工学科で学ぶうえでも、推薦入試で自分の考えを伝えるうえでも大切です。
自分の経験から考えを始める
思考力を見せようとすると、大きな社会問題や難しい技術を扱わなければならないと思ってしまう人もいます。
しかし、自分の経験から考え始めることも大切です。
情報の授業でプログラムを書いた経験、数学の問題に粘り強く取り組んだ経験、文化祭で動画やWebページを作った経験、部活動でデータを記録した経験など、身近な経験から問いは生まれます。
たとえば、文化祭の告知画像を作ったときに、「見る人に伝わりやすい情報の順番とは何か」と考えた経験があるかもしれません。
それは、ユーザーにとってわかりやすい情報設計を考える入口になります。
自分の経験を出発点にすると、考えに具体性が出ます。
調べたことと自分の考えを分ける
探究活動や志望理由を整理するときは、調べた事実と自分の考えを分けることも大切です。
たとえば、「AIは医療や教育の分野でも使われています」というのは調べた事実です。
そこから、「AIが人を支える可能性を感じる一方で、判断をすべて機械に任せてよいのかという疑問も持ちました」と続けると、自分の思考が伝わります。
推薦入試で評価されるのは、情報をたくさん知っていることだけではありません。
その情報をもとに、自分がどう考えたかです。
出願書類や面接では、調べた内容を説明したあとに、自分の気づきや考えを加えるようにしましょう。
面接では考える過程を話す
面接で思考力を見せるには、結論だけを話すのではなく、考える過程を伝えることが大切です。
たとえば、「情報技術で社会に貢献したいです」と言うだけでは、少し抽象的です。
「学校の連絡アプリを使う中で、便利な一方、必要な情報が探しにくいと感じました。そこから、使う人にとってわかりやすい情報設計に関心を持つようになりました」と話すと、思考の流れが見えます。
面接官が知りたいのは、きれいな答えではなく、あなたがどのように考えてきたかです。
多少言葉に詰まっても、自分の考えを丁寧に伝えようとする姿勢が大切です。
思考力は日常の中で育てられる
思考力は、特別な研究をしなければ身につかないものではありません。
日常の中で「なぜだろう」と考える習慣を持つことで、少しずつ育てることができます。
アプリを使ったとき、AIサービスに触れたとき、SNSで情報を見たとき、数学の問題でつまずいたとき。
その場で終わらせず、「なぜこうなっているのか」「別の方法はないのか」「誰にとって使いやすいのか」と考えてみましょう。
こうした積み重ねが、推薦入試で求められる問いを持つ姿勢、思考の深さ、多面的な視点、他者理解、対話姿勢につながります。
まとめ
上智大学理工学部情報理工学科の推薦入試で思考力を見せるためには、難しい言葉を使う必要はありません。
大切なのは、自分なりの問いを持ち、すぐに答えを決めつけず、複数の視点から考えることです。
情報理工学科の学びでは、情報技術の仕組みだけでなく、それが社会や人にどのような影響を与えるのかも考えていきます。
そのため、出願書類や面接で問われる志望理由でも、「情報技術に興味がある」の先にある自分の考えを整理することが大切です。
推薦入試は、完璧な人を選ぶ試験ではありません。
自分なりに問いを持ち、考え続けられる人を見ています。
まずは、日常の中で気になった情報技術を一つ選び、「なぜそう思ったのか」「別の見方はないか」と考えてみてください。
情報理工学科についてもっと知りたい、自分の興味を深めてみたい。
そう思えたなら、それが思考力を育てる第一歩です。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


