上智大学 総合人間科学部 教育学科|奈須正裕教授の研究紹介 教育学から「つくりながら考える」学びの現場

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、「教育学から『つくりながら考える』学びの現場」です。


教育学・教育心理学ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部教育学科の奈須正裕教授は、教育学、教育心理学を専門としています。奈須教授は、学校という場が「つくる」という営みに満ちていることに着目しながら、教育現場での実践と理論を統合するアプローチを提唱し続けています。教師や行政と共に教育を「つくりながら考える」アクティブでダイナミックな教育学を実践しており、実践主義・現場主義を重視する姿勢が、この教授の大きな特徴です。

奈須教授は徳島大学で教育学の学士を取得したのち、東京学芸大学と東京大学で教育学の修士を、東京大学で博士号を取得しました。学校現場との連携を大切にしながら、理論と実践を往復するかたちで教育学研究を積み重ねてきた研究者であり、学校を「与えられた場」ではなく「共につくる場」として捉える視点を大切にしています。


高校までの学びとの違い

高校までは、授業やカリキュラムは「すでに用意されているもの」として受け取ることがほとんどだと思います。しかし大学の教育学では、そうした授業やカリキュラムが、そもそもどのように作られているのか、どうすればより良い学びの場になるのかを、自分たちで考え、時には実際の学校現場と関わりながら探っていきます。与えられたものを受け取るだけでなく、学びの場そのものを「つくる側」の視点に立つことが、大学での学びの大きな違いです。


具体的な学びの例

たとえば、部活動の後輩に何かを教えるときに、どう説明すれば伝わりやすいかを工夫した経験はないでしょうか。教育学では、こうした「どう教えれば、相手の理解が深まるのか」という問いを、理論と実践の両面から体系的に学んでいきます。学校現場と連携した学びの機会も含め、実際に「つくりながら考える」プロセスを経験できる点が、この分野の魅力です。将来、教員や教育に関わる仕事を目指す人にとって、実践的な力を養える分野といえます。

近年注目されている「主体的・対話的で深い学び」という考え方も、こうした「つくりながら考える」教育学の流れと深く関わっています。一方的に知識を教わるだけでなく、生徒自身が問いを持ち、仲間と対話しながら理解を深めていく授業のあり方を、理論と実践の両面から探っていくことができます。


推薦入試とのつながり

上智大学の推薦入学試験(公募制)では、教育学科の出願にあたり、指定図書(アマルティア・セン『人間の安全保障』または木村元『学校の戦後史 新版』)から1冊を選んで要約と考察をまとめるレポート課題(A4用紙2000字程度)が課されます。教育の実践に関心がある場合、『学校の戦後史 新版』を通して、いまの学校のあり方がどのようにつくられてきたのかを知ることは、良い学びの場をどうつくるかを考えるうえでも参考になるでしょう。

教育学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識の量よりも、学びの場をより良くするために自分なりに工夫した経験を、具体的に言葉にできるかどうかが大切にされます。後輩や友人に何かを教えた経験、委員会活動での企画運営の経験などを振り返ってみましょう。

「もっとこうすれば、みんなが分かりやすいのではないか」と工夫を重ねた経験があれば、それは学びの場を「つくる」という発想そのものです。うまくいかなかった経験も含めて、そこから何を学んだかを言葉にしてみましょう。完璧な指導ができなくても、相手のことを考えて試行錯誤したプロセスそのものに価値があると捉える視点が、教育学的なものの見方への第一歩になります。教える立場に実際に立ってはじめて見えてくる難しさや工夫は、自分自身で経験してみないと、なかなか気づけないものです。


まとめ

教育学は、すでにある授業やカリキュラムを受け取るだけでなく、学びの場そのものを「つくる」視点から考えていく学問です。人に何かを伝えようとした経験は、誰にとってもこの分野への入り口になります。ぜひ、身近な「教える・学ぶ」経験を振り返ってみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。


※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。