上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|木川田喜一教授の火山・地球化学研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の木川田喜一教授と、火山・地球化学の研究」です。

火山の内部で何が起きているのかを知る方法は、地震や地形の変化を調べることだけではありません。温泉水や火山ガス、大気中の物質を化学的に分析することで、地下で進んでいる変化を読み取る方法もあります。木川田喜一教授は、化学の力を使って火山活動や大気環境を調べる研究に取り組んでいます。


木川田喜一教授の専門は火山と環境の地球化学

木川田教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科の教授です。上智大学公式サイトでは、主な研究テーマとして「化学的手法による火山活動モニタリング、エアロゾル・大気沈着物による大気動態解析」が紹介されています。

学位は、理学士、理学修士、博士(理学)のいずれも上智大学で取得しています。研究では、火山、温泉、火山ガス、大気環境、水質などを対象に、そこに含まれる化学成分を分析し、自然環境の中で物質がどのように動いているのかを調べています。

こうした研究分野は「地球化学」と呼ばれます。地球科学と化学を組み合わせ、岩石や水、大気などに含まれる物質から地球の変化を読み解いていく学問です。


温泉水から火山の内部を考える

木川田教授が長く研究しているフィールドの一つが、草津白根火山です。上智大学では1960年代から草津白根山の研究が続けられており、木川田教授も火山性温泉や湧水、火山ガスなどを分析しながら火山活動を研究しています。

火山の地下には、熱せられた水やガスが存在します。地下の状態が変化すると、それらの化学組成にも変化が現れることがあります。そこで温泉水などを継続的に採取し、含まれている成分を測定することで、火山内部で起きている変化を考えます。

火山を見るだけでは分からない地下の状態を、水に含まれる物質から読み解くところが、この研究の面白さです。


霧島火山では河川環境への影響も研究

木川田教授は、霧島火山でも研究を進めています。上智大学では、霧島硫黄山の火山活動によって周辺河川の水質がどのように変化するのかを調べる研究も紹介されています。

火山活動は、噴火そのものだけが周囲に影響するわけではありません。火山地域から流れ出す水に含まれる化学成分が変化すれば、その水が流れ込む河川環境にも影響が及ぶ可能性があります。

そのため、火山活動と水質との関係を実際のフィールドで調べ、どの物質がどのように移動しているのかを分析することが重要です。自然現象と地域環境のつながりを、化学的なデータから考える研究といえるでしょう。


大気中の小さな粒子も研究対象

木川田教授の研究対象は火山だけではありません。大気中を漂う微細な粒子である「エアロゾル」や、大気から地表へ降下する物質についても研究しています。

大気中の微量元素や放射性同位元素などを分析することで、「その物質がどこから来たのか」「どのように運ばれたのか」を考えることができます。

高校の化学では元素やイオンについて学びますが、大学ではそれらを実際の環境試料から測定し、地球規模の物質移動を考える研究へと発展します。

ごく少量しか含まれていない物質を正確に分析し、そのデータから大気や水の動きを考えるところに、環境分析化学の面白さがあります。


実際の自然を見るフィールドワーク

木川田教授は、研究教育においてフィールドワークを重視しています。上智大学の教育研究情報では、卒業研究の学生を対象に、研究テーマにかかわらず地球化学的な現地調査を年に数回実施していることが紹介されています。

火山や温泉、河川など実際の場所へ行き、自分で周囲を観察し、試料を採取することには、実験室だけでは得られない発見があります。

自然を相手にする研究では、毎回まったく同じ条件になるとは限りません。天候や火山活動の状態、水の流れなどによって結果が変化することもあります。そのため、現場の様子を丁寧に観察し、得られたデータと結びつけて考えることが大切になります。


高校の化学が地球規模の研究につながる

上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、化学、生物学、物理学、環境科学、材料工学などを複合的に学びます。木川田教授の研究は、その中でも化学を使って地球や環境を理解する研究の一例です。

高校で学ぶ酸と塩基、イオン、元素、溶液などの内容も、大学では温泉水や河川水、大気中の物質を分析するための基礎になります。

たとえば温泉に入ったときに、「場所によって色やにおいが違うのはなぜだろう」と考えることも研究への入口です。ニュースで火山活動を見たときに、「地下の状態を化学的に調べる方法はあるのだろうか」と疑問を持つこともできます。

身近な自然現象に疑問を持ち、その理由を科学的に調べていくことが、地球化学の学びにつながります。


推薦入試では「自然が好き」の先まで考えてみよう

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考える場合、「自然が好きです」「環境問題に興味があります」というところから、もう一歩自分の関心を具体化してみましょう。

たとえば、「火山活動によって温泉水の成分はどう変わるのか」「自然由来の物質は河川の水質にどのような影響を与えるのか」「大気中の微粒子はどこから運ばれてくるのか」と問いを広げることができます。

高校生の段階で専門的な分析技術を身につけている必要はありません。授業や探究活動、旅行先で見た自然現象、ニュースなどをきっかけに疑問を持ち、自分で調べてみることが大切です。

木川田教授の研究を知ると、高校で学んでいる化学が、火山や温泉、大気、河川といった大きな自然環境を理解するためにも使われていることが分かります。身近な自然を見たときに、「ここではどんな物質が動いているのだろう」と考えてみるところから、自分なりの問いを見つけてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した 上智大学合格プロジェクト を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。


限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。



※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。