上智大学 総合人間科学部 教育学科|鈴木宏准教授の研究紹介 教育哲学から「当たり前」を疑う学び

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、「教育哲学から『当たり前』を疑う学び」です。


教育哲学ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部教育学科の鈴木宏准教授は、教育学および教育哲学を専門としています。鈴木准教授は「教育哲学という学問は、私たちの常識や当たり前を疑ってみるところからスタートする」と述べており、教育の本質やこれからのあり方といった、根本的で答えの出にくい問題を探究し続けています。「良い教育とはいったい何か」「学ぶとはどういうことか」といった問いは、当たり前すぎて普段は意識されませんが、教育哲学ではこうした問いにあえて立ち止まり、じっくりと考えていきます。

鈴木准教授は上智大学で文学の学士、教育学の修士・博士をすべて取得しました。武蔵丘短期大学、山口大学での講師職を経て、2020年から上智大学准教授として着任し、2025年からは総合人間科学研究科教育学専攻の主任も務めています。哲学的な問い直しを、教育の現場と結びつけながら考え続けてきた研究者です。


高校までの学びとの違い

高校までの授業は、多くの場合、決められたカリキュラムに沿って知識を身につけていくものです。しかし教育哲学では、そもそも「なぜ学校で学ぶ必要があるのか」「良い先生とはどのような存在か」といった、前提そのものを問い直していきます。すぐに答えが出るテーマではありませんが、時間をかけて考え続けることで、物事の本質に近づいていく過程そのものが、大学での学びの醍醐味です。


具体的な学びの例

たとえば、「テストの点数がすべてではない」と頭では分かっていても、実際にはテストの結果に一喜一憂してしまう、という経験がある人も多いのではないでしょうか。教育哲学では、こうした「評価とは何か」「学ぶことの本当の価値とは何か」といったテーマについて、哲学的な議論を手がかりに考えていきます。将来、教員や教育政策に関わる仕事を目指す人にとって、目先の制度にとらわれず、根本から教育を考える力を養える分野です。

「効率よく学べる方法」がさまざまなところで紹介される一方で、教育哲学は「そもそも効率よく学ぶことだけが良いことなのか」という問い自体を大切にします。すぐに役立つ答えを求めるのではなく、遠回りに思えても、じっくり考え続けることの意味を見つめ直すきっかけになる学問です。


推薦入試とのつながり

上智大学の推薦入学試験(公募制)では、教育学科の出願にあたり、指定図書(アマルティア・セン『人間の安全保障』または木村元『学校の戦後史 新版』)から1冊を選んで要約と考察をまとめるレポート課題(A4用紙2000字程度)が課されます。教育哲学に関心がある場合、どちらの本を選んだとしても、書かれている内容を鵜呑みにせず、「なぜそう言えるのか」「自分はどう考えるか」を自分の言葉で掘り下げてみることが大切です。

教育学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識の量よりも、当たり前だと思っていることに疑問を持ち、自分の頭で考え続けられるかどうかが大切にされます。授業や日常生活の中で感じた「なぜ」を大切にし、すぐに答えを求めず考え続けた経験を振り返ってみましょう。

友人と意見が食い違ったときに、「どちらが正しいか」だけで終わらせず、「なぜお互いこう考えたのか」まで掘り下げて話し合った経験があれば、それは教育哲学的な対話の実践そのものといえます。すぐに白黒つけない姿勢を大切にしてみてください。正解を急いで求めるのではなく、問い続けること自体に価値があると気づけると、教育哲学という学問がぐっと身近に感じられるはずです。友人や家族との何気ない日常会話の中にも、実は根源的な問いのタネがたくさん隠れているものであり、それに気づけるかどうかは、日頃からの意識の持ち方次第だといえるでしょう。


まとめ

教育哲学は、学校や学びについての「当たり前」を、あらためて問い直していく学問です。すぐに答えが出ないからこそ、じっくりと考え続ける力が養われます。ぜひ、自分自身の学びについて、根本から考えてみる機会にしてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。


※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。