上智大学 経済学部 経済学科|彭一凡特任助教に学ぶ「環境経済学」と食料問題への向き合い方

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経済学科・彭一凡特任助教の研究から考える、環境経済学と食料問題」です。

地球温暖化、食品ロス、農産物の価格上昇、食料不足など、環境と食料をめぐる問題はニュースで目にする機会が多いテーマです。一見すると、環境問題は理科、食料問題は農業の話のように感じるかもしれません。しかし、私たちが何を買い、企業が何を生産し、政府がどのような制度をつくるのかという「経済活動」と深く結びついています。

上智大学経済学部の最新公式情報では、彭一凡特任助教の研究分野として、環境経済学、食料経済学、応用ミクロ計量経済学、データサイエンスが示されています。上智学院教員教育研究情報データベースでも、経済学部経済学科への所属が確認できます。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}


環境問題を「経済の仕組み」から考える

環境経済学とは、環境問題がなぜ起こるのか、そして経済の仕組みをどのように変えれば環境への負担を減らせるのかを考える分野です。

例えば、商品を生産する企業が利益を得る一方で、その生産過程で大気汚染が起こり、周辺で暮らす人が負担を受ける場合があります。このように、ある人や企業の経済活動が、取引に直接参加していない人にも影響を与えることがあります。

そこで、「環境に負担をかける行動にどのようなルールを設けるべきか」「環境に配慮した選択をしやすくするにはどんな仕組みが必要か」といった問いが生まれます。

レジ袋の有料化を経験して、「以前よりエコバッグを使うようになった」という人もいるでしょう。価格や制度が少し変わるだけでも、人の行動が変化する場合があります。環境経済学では、こうした人や企業の行動まで含めて考えていきます。


食料の価格はなぜ変化するのか

彭特任助教の研究分野には、食料経済学も含まれています。食料は毎日の生活に欠かせませんが、価格や供給量はいつも一定ではありません。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}

例えば、猛暑や大雨によって野菜の収穫量が減れば、店頭価格が上がることがあります。海外から輸入している食料であれば、世界の生産状況や輸送、為替などの影響を受けることも考えられます。

そこで、「なぜこの食品の価格が上がったのか」と考えてみると、天候だけではなく、生産者、流通、消費者、国際経済など、さまざまな要因が見えてきます。

さらに、食料価格の上昇による影響も人によって異なります。同じ値上げでも、家計に占める食費の割合によって負担感は変わります。食料問題を考えるときには、「価格が上がった」という事実だけではなく、「誰にどのような影響があるのか」と考えることも大切です。


環境問題と食料問題はつながっている

環境と食料は、別々の問題ではありません。気候変動によって農作物の生産が不安定になれば、食料価格や農家の収入にも影響する可能性があります。一方、食料を生産するためには土地や水、エネルギーなどの資源も必要です。

また、まだ食べられる食品が廃棄される食品ロスについて考えると、単に「もったいない」という倫理的な問題だけではなく、生産や輸送に使われた資源や費用も無駄になるという経済的な側面があります。

ここから、「食品ロスを減らすには消費者の意識だけを変えればよいのか」「企業の販売方法や制度にも工夫が必要なのではないか」と問いを広げることができます。

一つの立場だけから問題を見るのではなく、生産者、企業、消費者、行政など複数の立場から考えることで、環境と食料をめぐる問題の複雑さが見えてきます。


データサイエンスで社会問題を確かめる

彭特任助教の研究分野には、応用ミクロ計量経済学とデータサイエンスも含まれています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}

応用ミクロ計量経済学とは、人や企業などの行動について、実際のデータと統計的な方法を使って分析する分野です。

例えば、環境に関する新しい制度を導入した後に、ごみの量が減ったとします。しかし、それだけで「制度のおかげで減った」と決めることはできません。同じ時期に人口が減っていたり、別の取り組みが始まっていたりする可能性もあります。

そこで、さまざまなデータを比較しながら、「本当にその制度による変化なのか」を丁寧に考えていきます。社会課題について自分の意見を持つだけでなく、実際のデータから確かめようとするところに、現代の経済学の特徴があります。


高校の探究活動ともつながる学び

高校の探究活動で、食品ロス、SDGs、地域のごみ問題、農業などを調べた経験がある人もいるでしょう。そうした経験も、環境経済学や食料経済学への入り口になります。

例えば、「高校生は環境問題に関心がある」という仮説を立ててアンケートを行ったとします。その結果、環境への関心は高いのに、実際には環境に配慮した商品をあまり選んでいないことが分かるかもしれません。

そこで、「なぜ意識と行動に差があるのだろう」「価格が高いからなのか」「情報が不足しているからなのか」と新しい問いが生まれます。

大学では、最初から自分が予想した答えに合わせるのではなく、データから分かったことを受け止めながら、さらに問いを深めていきます。


高校までの学びと大学での経済学の違い

高校では、地球温暖化や食料問題について「どのような問題が起きているのか」を学ぶ機会が多いでしょう。大学では、そこからさらに「なぜその問題が起きるのか」「どの政策なら人や企業の行動を変えられるのか」「実際に効果があったのか」と考えていきます。

例えば、「食品ロスを減らすべきです」という意見だけではなく、値引きの方法を変えた場合、消費者の行動はどう変わるのか、企業にはどのような負担が生まれるのかまで考えます。

環境を守るという目的が同じでも、どの方法を選ぶべきかについては複数の考え方があります。だからこそ、根拠を調べ、他者の立場を理解しながら、自分の考えを更新していくことが大切です。


推薦入試に向けて身近な問題を「問い」に変えよう

上智大学経済学部経済学科の推薦入試を考えている人も、最初から専門的な経済分析ができる必要はありません。日常生活の中で感じた小さな疑問から始めてみましょう。

例えば、「なぜ同じ野菜でも時期によって価格が大きく違うのだろう」「環境に良いと分かっていても、人はなぜ安い商品を選ぶことがあるのだろう」「食品ロスを減らすには消費者と企業のどちらに働きかけるべきなのだろう」といった問いがあります。

出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「環境問題に興味があります」「SDGsに関心があります」で終わらせず、何に疑問を持ったのか、調べた結果どのような新しい疑問が生まれたのか、経済学を使って何を考えたいのかまで整理してみてください。

また、自分の考えだけではなく、生産者、消費者、企業、行政など、それぞれの立場から問題を考えることも重要です。対話を通して自分とは異なる考えを知ることで、問いがさらに深まることもあります。


毎日の買い物から経済学を始めてみよう

環境経済学や食料経済学のテーマは、特別な場所にあるわけではありません。スーパーで野菜の価格を見ること、食品の賞味期限を確認すること、マイボトルを使うことなど、毎日の生活とつながっています。

次に商品を選ぶとき、「なぜ自分はこちらを選んだのだろう」「この価格は何によって決まっているのだろう」「この商品が作られるまでに、環境にはどのような影響があるのだろう」と考えてみてください。

身近な出来事に「なぜ?」を向け、データや根拠から確かめ、別の立場からも考えてみる。その積み重ねが、環境経済学や食料経済学という学問への入り口になります。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、職位、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。