こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「上智大学文学部哲学科|『多様性』をどう考え、どう伝えるか」です。


推薦型選抜でよく出てくる「多様性」という言葉

上智大学の推薦型選抜について調べていると、「多様性」という言葉を目にすることが多いと思います。

提出書類や面接でも、

「多様な価値観を理解したい」
「多様性を尊重できる社会に関心がある」

といった表現を書く人は少なくありません。

ただ、多様性という言葉はとても広い意味を持っています。

そのため、言葉だけを使うと、内容が抽象的になってしまうことがあります。

哲学科の推薦型選抜では、 その言葉を自分がどう考えているのか が大切になります。


多様性とは「違い」を考えること

多様性とは、人それぞれが異なる背景や価値観を持っているという考え方です。

例えば、

  • 文化や宗教の違い
  • 育った環境の違い
  • 考え方や価値観の違い
  • 世代による感覚の違い

などがあります。

同じ出来事を見ても、人によって感じ方が違うことは少なくありません。

例えば学校生活でも、

「厳しいルールが必要だ」と考える人もいれば、「もっと自由であるべきだ」と考える人もいます。

どちらか一方が完全に正しいとは簡単には言えません。

哲学では、こうした「違い」をどう理解するかを深く考えていきます。


「多様性を大切にしたい」だけでは弱い理由

志望理由を書くとき、

「多様性を尊重したいと思っています」

という文章を書く人は多いです。

もちろん、この考え方自体は大切です。

しかし、それだけでは少し抽象的になってしまいます。

読み手からすると、

  • なぜそう思ったのか
  • どんな経験があったのか
  • 何に疑問を感じたのか

が見えにくいからです。

推薦型選抜では、「きれいな言葉」を並べることよりも、「どのように考えてきたか」が重視されます。


日常の経験から問いを作る

多様性について考えるきっかけは、特別な経験だけではありません。

海外経験や大きな活動がなくても、日常の中で感じることはたくさんあります。

例えば、

  • 友人と意見がぶつかった経験
  • SNSで価値観の違いを感じた経験
  • 部活動で考え方の違いに悩んだ経験
  • ニュースを見て違和感を持った経験

などです。

そのときに、

「なぜ人によって考え方が違うのだろう」
「違う価値観をどう理解すればよいのだろう」

と考えたことが、哲学的な問いにつながっていきます。

つまり大切なのは、「多様性」という言葉そのものではなく、自分がどんな場面でその問題を考えたのかです。


哲学では「対話」が重要になる

哲学というと、一人で静かに考える学問のように思われることがあります。

しかし実際には、哲学は対話をとても大切にしています。

自分とは違う考え方に出会うことで、「そういう見方もあるのか」と気づくことがあるからです。

例えば、

「自由を優先するべきだ」という考えと、「安全のためには制限も必要だ」という考えは、どちらも社会の中に存在します。

哲学では、どちらかをすぐに否定するのではなく、「なぜその考えが生まれるのか」を考えます。

こうした姿勢は、上智大学が大切にしている「対話」や「他者理解」とも深く関係しています。


多様性を哲学の問いにつなげる

哲学科の推薦型選抜では、多様性というテーマを、自分なりの問いとして考えられると説得力が生まれます。

例えば、

  • 他者を理解するとはどういうことか
  • 違う価値観は本当に分かり合えるのか
  • 社会の中で対話はどのように成り立つのか
  • 人はなぜ自分と違う意見を否定したくなるのか

といった問いです。

こうした問いがあると、「なぜ哲学を学びたいのか」が自然につながっていきます。


推薦型選抜で見られていること

上智大学文学部哲学科の推薦型選抜では、専門知識の量だけで評価されるわけではありません。

大切なのは、

  • どんな問いを持っているか
  • その問いをどう考えてきたか
  • 異なる立場を理解しようとしているか
  • 対話を大切にできるか

という姿勢です。

つまり、「多様性」という言葉を使うこと自体よりも、そのテーマに対して自分がどう向き合っているかが重要なのです。


最後に|あなたが感じた「違い」を大切にしてほしい

多様性というテーマは、とても大きな言葉です。

だからこそ、無理に立派なことを書こうとする必要はありません。

むしろ大切なのは、

「なぜその問題が気になったのか」
「どんな違いに出会ったのか」

を自分の言葉で整理することです。

推薦型選抜では、完璧な答えよりも、「考え続けようとしている姿勢」が見られています。

もし日常の中で、「どうして人によってこんなに考え方が違うのだろう」と感じた経験があるなら、その疑問は哲学の入り口かもしれません。

まずは、自分が感じた「違い」を大切にしてみてください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。