
上智大学 総合人間科学部 教育学科|酒井朗教授の研究紹介 学校臨床社会学から「学校の困りごと」に向き合う
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「学校臨床社会学から『学校の困りごと』に向き合う」です。
教育社会学・学校臨床社会学ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部教育学科の酒井朗教授は、教育社会学、学校臨床社会学を専門としています。酒井教授は「不登校やいじめ、学力低下、子どもの貧困、教師の多忙化など、学校教育や子どもたちの成育をめぐる様々な問題について、社会学的な視点から理解しつつ、課題の解決に向けて何ができるかを実践的に考える」ことをテーマとしています。学校で起きている問題を、個人の性格や努力の問題として片づけるのではなく、社会全体の仕組みの中で捉え直す視点が特徴です。
酒井教授は東京大学で教育学の学士・修士を取得したのち、南山大学、お茶の水女子大学、大妻女子大学で講師・助教授・教授を歴任し、2015年から上智大学教授として着任しました。2022年から2025年3月までは総合人間科学部長も務めており、学校現場が抱える課題に、研究と大学運営の両方の立場から向き合ってきた経歴を持っています。
高校までの学びとの違い
高校までは、不登校やいじめといった問題を、当事者同士の人間関係の問題として捉えることが多いかもしれません。しかし学校臨床社会学では、こうした問題の背景に、学校という組織のあり方や、地域社会、家庭環境など、さまざまな社会的要因が複雑に絡み合っていると考えます。単純な原因と結果で片づけず、問題の背景を多角的に分析し、実際に何ができるかを考えていく実践的な姿勢が、大学での学びの特徴です。
具体的な学びの例

たとえば、クラスの中で不登校になった友人がいたとき、「なぜ学校に来られなくなったのだろう」と考えた経験がある人もいるかもしれません。学校臨床社会学では、こうした状況を、本人の性格の問題としてだけでなく、学級の雰囲気や教師との関係、家庭の状況など、さまざまな角度から分析していきます。将来、教員やスクールソーシャルワーカーなど、学校現場で子どもを支える仕事を目指す人にとって、実践的な視点を養える分野です。
また、教師の多忙化という課題も、学校臨床社会学の重要なテーマです。先生が忙しすぎて、一人ひとりの子どもに十分に向き合う時間が取れないとしたら、それは先生個人の問題というより、学校という組織の仕組みの問題かもしれません。こうした視点から学校を見つめ直すことも、この分野の学びの一つです。
推薦入試とのつながり
上智大学の推薦入学試験(公募制)では、教育学科の出願にあたり、指定図書(アマルティア・セン『人間の安全保障』または木村元『学校の戦後史 新版』)から1冊を選んで要約と考察をまとめるレポート課題(A4用紙2000字程度)が課されます。学校現場の課題に関心がある場合、『学校の戦後史 新版』を通して、いまの学校が抱える問題が、歴史的にどのように形づくられてきたのかを学ぶことができます。
教育学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識の量よりも、身近な学校生活の中で感じた課題や違和感を、社会的な視点から捉え直せるかどうかが大切にされます。委員会活動やクラスでの経験を振り返り、そこにあった困りごとを丁寧に言葉にしてみましょう。
「誰か一人が悪い」と決めつけて終わらせず、その背景にどのような事情が重なっていたのかを想像してみることも、学校臨床社会学的な視点に近づく練習になります。すぐに答えを出さず、複数の可能性を考え続ける姿勢を大切にしてみてください。学校という場は、多くの人が長い時間を過ごす場所だからこそ、そこで起きる困りごとを一つひとつ丁寧にほどいていく視点は、これからの社会にとっても大切な力になっていくはずです。
まとめ
学校臨床社会学は、学校で起きているさまざまな困りごとを、個人の問題として片づけず、社会的な視点から理解し、実践的な解決策を考えていく学問です。身近な学校生活の中にある課題に目を向けることが、この分野を学ぶ第一歩になります。ぜひ、自分自身の学校生活を振り返りながら、この学問への関心を深めてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


