
上智大学 経済学部 経済学科|蓬田守弘教授に学ぶ「国際貿易論」とモノが国境を越える仕組み
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 経済学部 経済学科・蓬田守弘教授の研究から考える、国際貿易論とモノが国境を越える仕組み」です。
スマートフォン、衣類、コーヒー、果物など、私たちが日常的に使っている商品の中には、海外で生産されたものや、海外の原材料を使って作られたものが数多くあります。では、なぜ国によって作る商品が違い、国境を越えて取引が行われるのでしょうか。
上智大学経済学部の最新公式情報によると、蓬田守弘教授は経済学部経済学科に所属し、国際経済学、国際貿易論を研究分野としています。担当科目としては、INTERNATIONAL ECONOMICS AND BUSINESS、国際貿易論、国際貿易論特講などが掲載されています。
国際貿易論とはどんな学問?
国際貿易論とは、国と国の間で商品やサービスが取引される理由や、その取引が企業、消費者、産業、国全体にどのような影響を与えるのかを考える分野です。
例えば、日本がすべての商品を国内だけで生産しようとすると、気候や資源、人材、技術などの条件によって効率が悪くなる場合があります。一方で、それぞれの国が比較的得意な分野を生かして生産し、互いに交換することで、より多くの商品を利用できる可能性があります。
ただし、貿易は「行えば全員が必ず得をする」という単純な話ではありません。輸入品が増えることで消費者は安く商品を買える一方、国内で同じ商品を作っている企業が厳しい競争に直面することもあります。
「比較優位」という考え方
国際貿易論を理解するうえで重要なのが「比較優位」という考え方です。簡単にいえば、それぞれの国が、ほかの分野と比べて相対的に得意な生産に力を入れることで、国同士の取引に利益が生まれるという考え方です。
例えば、学校行事で二人が作業を分担するとします。一人がポスター作りも資料整理も得意だったとしても、特にポスター作りが得意なら、もう一人が資料整理を担当したほうが全体として効率が良くなる場合があります。
国際貿易でも同じように、「その国が世界で一番得意か」だけではなく、「自国内のほかの生産と比べて何を得意としているのか」という視点が重要になります。
関税をかけると誰が得をし、誰が負担する?
ニュースでは「関税」という言葉を目にすることがあります。関税とは、海外から輸入される商品に対してかけられる税金です。
例えば、海外から安い商品が大量に入ってくると、国内企業が競争に苦しむ場合があります。そこで政府が関税をかければ、輸入品の価格が上がり、国内産業を守りやすくなる可能性があります。
一方で、輸入品を購入する消費者から見ると、以前より高い価格を支払わなければならないかもしれません。また、海外の国が対抗して別の商品に関税をかければ、日本企業の輸出にも影響する可能性があります。
つまり、同じ関税政策でも、国内企業、消費者、輸出企業、相手国などによって見え方は変わります。一つの立場だけで「良い政策」「悪い政策」と決めつけないことが大切です。
国際貿易と環境問題もつながっている
蓬田教授は、国際貿易と環境政策の関係についても研究しています。上智大学の研究者情報では、気候政策と国際貿易の国際協調に関する研究や、国境炭素調整措置の制度設計などに取り組んでいることが確認できます。
例えば、ある国がCO2排出を減らすために企業へ厳しい環境規制を導入したとします。しかし、規制の緩い国へ生産拠点が移ってしまえば、世界全体ではCO2排出量が十分に減らない可能性があります。
そこで、輸入品にも環境負荷に応じた負担を求める仕組みなどが議論されています。ただし、環境保護を目的とした政策が、結果として特定の国の企業を有利にしてしまう可能性もあります。
環境問題と貿易問題を切り離さず、「誰にどのような影響があるのか」を考えることが必要になります。
身近な商品から国際貿易を考えてみよう
国際貿易論は、海外ニュースだけの学問ではありません。スーパーやコンビニ、家電量販店などでも、貿易の仕組みを感じることができます。
例えば、商品のラベルを見てみると、原産国が書かれています。同じ種類の商品でも、日本産と海外産で価格が違う場合があります。
そこから、「なぜこの商品は海外から輸入しているのだろう」「輸送費がかかるのに、なぜ国内産より安いのだろう」「為替が変わったら価格はどうなるのだろう」と問いを広げることができます。
普段何気なく買っているものの背景に、企業の生産拠点、国際物流、為替、関税など、複数の経済的な仕組みが隠れています。
高校までの学びと大学での国際貿易論の違い
高校の公共や政治・経済では、自由貿易、関税、為替、国際収支などの基本的な仕組みを学びます。大学では、その知識を土台に、「なぜ貿易が起こるのか」「政策を変えると誰の行動がどう変わるのか」を理論的に分析していきます。
例えば、「関税を下げれば貿易が増える」という知識だけでなく、どの産業が成長し、どの産業が厳しくなる可能性があるのか、消費者にはどのような影響があるのかを考えます。
また、環境政策や企業の海外進出など、貿易以外の問題とも結びつけながら考えることになります。
正解を一つ覚えるのではなく、「別の立場から見るとどうか」「短期と長期では結果が違わないか」と問いを深めることが、大学での学びにつながります。
推薦入試に向けて国際経済の「なぜ?」を見つけよう
上智大学経済学部経済学科の推薦入試を考えている人も、最初から国際貿易の理論を詳しく知っている必要はありません。身近な商品やニュースから疑問を見つけることが出発点になります。
例えば、「なぜ日本では海外産の食品が多く売られているのだろう」「関税を上げて国内産業を守ることは、本当に国全体にとって良いのだろうか」「環境を守るための貿易政策は、途上国にどのような影響を与えるのだろう」といった問いがあります。
そのうえで、消費者、国内企業、海外企業、政府など、複数の立場から考えてみてください。自分とは違う立場の人の利益や負担に目を向けることで、考えが深まっていきます。
出願書類や面接で問われる志望理由を整理するときにも、「海外に興味があります」「貿易に関心があります」で終わらせず、何をきっかけに疑問を持ったのか、調べる中でどのように考えが変わったのか、大学で何をさらに学びたいのかまで整理してみてください。
商品の向こう側にある世界経済を見てみよう
私たちが使う一つの商品にも、生産する人、輸送する企業、販売する企業、政府のルールなど、多くの人や仕組みが関わっています。
国際貿易論を学ぶと、「輸入品が安い」という表面的な事実だけではなく、その価格がどのような仕組みで生まれ、誰が利益や負担を受けているのかまで考えられるようになります。
次に買い物をするときには、商品の原産国を一度見て、「なぜこの商品はここから日本に来ているのだろう」と考えてみてください。その小さな疑問が、世界経済の仕組みを学ぶ入り口になるかもしれません。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト、上智大学経済学部公式サイト、上智学院教員教育研究情報データベース等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。教員の所属、職位、研究分野、担当科目、カリキュラム、入試制度などは今後変更・更新される場合があります。受験を検討している方は、本記事の情報だけで判断せず、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


