上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 中内政貴教授とは?国際政治学・平和構築・地域統合から紛争後の社会を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「中内政貴教授の研究と、総合グローバル学科で学べる平和構築・地域統合について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、紛争後の社会や地域統合について研究しているのが中内政貴教授です。専門は、国際政治学、平和構築、地域統合、地域機構です。特に、暴力的な紛争を経験した社会が、その後どのような制度やルールをつくり、再び紛争が起きない社会を目指していくのかを研究しています。


中内政貴教授は何を研究している?

中内教授の研究を理解するうえで大切なのが、「戦争が終わること」と「平和になること」は同じではないという視点です。

武力衝突が止まっても、人々の間に不信感や恐怖、過去の被害の記憶が残ることがあります。政治制度が十分に機能していなかったり、特定の集団が政治参加から排除されたりすれば、再び対立が激しくなる可能性もあります。

中内教授は、こうした紛争後の社会において、政治制度や国際機構、地域機構などがどのような役割を果たせるのかを研究しています。


旧ユーゴスラヴィアでの経験から平和構築を考える

中内教授は、外務省の専門調査員やJICAの援助調整専門家として、旧ユーゴスラヴィア地域で政府開発援助に携わった経験があります。

旧ユーゴスラヴィアでは、1990年代に複数の民族や政治勢力を巻き込む激しい紛争が起こりました。紛争が終わったあとも、社会をどのように立て直し、異なる集団が同じ政治制度の中で暮らしていくのかという課題が残りました。

中内教授の研究は、こうした地域を具体的な事例として、紛争後にどのような政治制度をつくれば平和を維持しやすくなるのか、国際社会はどのように関われるのかを考えるものです。


なぜ紛争は再び起きてしまうのか

中内教授は、暴力による紛争が終わったあとも、その影響は何年、何十年にもわたって社会に残ることがあると指摘しています。

例えば、過去に対立した集団同士が同じ地域で暮らしていても、互いへの不信感が残っていれば、ちょっとした出来事が新たな緊張につながることがあります。選挙や政治制度の仕組みによっては、民族や宗教などの違いが政治的な対立として強調されてしまう場合もあります。

だからこそ、平和構築では「争いを止める」だけでなく、その後にどのような制度や社会関係をつくるのかまで考える必要があります。


平和を支えるのは国家だけではない

紛争を解決し、平和な社会をつくる主体は国家だけではありません。中内教授は、国際機構や地域機構、市民社会組織など、さまざまな主体が平和構築に関わることに注目しています。

例えば、国連のような国際機構だけでなく、EUのように一定の地域に属する国々が協力する地域機構もあります。また、現地の市民団体や地域社会が和解や復興に重要な役割を担う場合もあります。

誰か一つの主体が平和をつくるのではなく、国際社会、政府、地域社会などがどのように役割を分担し、協力するのかを見ることが重要です。


地域統合は平和とどのようにつながる?

中内教授のもう一つの重要な研究テーマが地域統合です。地域統合とは、複数の国が経済や政治、制度などの面で協力関係を深めていくことです。

中内教授は特に、地域統合が進む中で、人権や民主主義などの規範がどのように生まれ、各国へ広がっていくのかを研究しています。また、近い過去に紛争を経験した国にとって、こうした規範が国内政治にどのような影響を与えるのかにも関心を持っています。

国同士が協力すれば自動的に平和になるわけではありません。地域機構がどこまで各国に影響を与えられるのか、共通の価値観をどこまで共有できるのかという難しさもあります。そこを具体的に分析するのが地域統合研究です。


高校生ならニュースから「戦争の後」を考えてみよう

中内教授の研究に興味を持ったら、紛争のニュースを見るときに、戦闘の状況だけではなく「その後」にも目を向けてみてください。

例えば、「停戦したあと、誰が政治を担うのだろう」「避難した人々は元の地域へ戻れるのだろうか」「対立していた集団が再び同じ社会で暮らすためには何が必要なのだろう」といった問いが考えられます。

また、「選挙を実施すれば民主的な社会になるのか」「国際機関が制度をつくれば平和は維持できるのか」といった疑問も、平和構築の重要なテーマにつながります。


政治だけでなく経済や法も関係する

中内教授は、紛争と平和について考えるためには、政治だけでなく経済、法、制度など幅広い知識が必要だとしています。

例えば、紛争後に選挙制度を整えても、仕事がなく、経済格差が大きく、法制度への信頼も低ければ、社会の安定が難しくなる可能性があります。一方で、経済支援だけを行っても、政治的な排除や人権の問題が残れば十分とはいえません。

一つの問題を一つの原因だけで説明せず、複数の側面を組み合わせて考えることが、平和構築を学ぶうえでは重要です。


総合グローバル学科の国際政治論とどうつながる?

中内教授は、総合グローバル学部の国際政治論領域を担当しています。2026年度には、1年次の「グローバル・スタディーズ基礎演習」にも関わっています。

総合グローバル学科では、国家同士の関係だけではなく、国際機構、地域機構、市民社会、国内政治など複数の視点から国際問題を考えます。

中内教授の研究を通して、紛争という世界規模の問題と、旧ユーゴスラヴィアなど具体的な地域の政治や制度を結びつけて考えることができます。世界全体を見る視点と、一つの地域を深く理解する視点の両方が必要なのです。


推薦入試では「平和が大切」で終わらせない

推薦入試を考えている高校生の中には、紛争や平和について関心を持っている人もいるでしょう。そのとき、「戦争をなくしたい」「平和な世界にしたい」という思いだけで終わらず、そこから問いを深めてみてください。

例えば、「なぜ和平合意を結んでも紛争が再発するのか」「多民族社会ではどのような政治制度が必要なのか」「国際機関はどこまで他国の政治に関われるのか」と具体化すると、学問として考えたいテーマが見えやすくなります。

中内教授の研究テーマに自分を合わせる必要はありません。教授の研究を知ることで、自分がニュースを見て感じていた疑問を、大学でどのような学問として深められるのかを考えてみてください。


中内政貴教授の研究から「平和をつくる」とは何か考えてみよう

中内政貴教授の研究を知ると、平和とは単に戦争がない状態ではなく、その後も人々が安心して暮らせる政治制度や社会関係をつくり続けることと深く関係していることが分かります。

紛争のニュースを見たときも、「いつ終わるのか」だけではなく、「終わったあとにどのような社会をつくるのか」まで考えてみてください。そこから、政治、平和構築、地域統合、国際機構など、大学でさらに深く学びたいテーマが見つかるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。