上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 福武慎太郎教授とは?人類学・東南アジア研究から地域社会と国際協力を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「福武慎太郎教授の研究と、総合グローバル学科で学べる人類学・東南アジア研究について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、東南アジアの地域社会を研究しているのが福武慎太郎教授です。専門は人類学、東南アジア研究です。主にインドネシアと東ティモールをフィールドとして、地域社会の暮らしや変化、国際協力などについて研究しています。遠くから地域を眺めるだけではなく、現地で人々と関わりながら社会を理解していくフィールドワークを重視している点も特徴です。


福武慎太郎教授は何を研究している?

福武教授は、東南アジア島嶼部、とりわけインドネシアと東ティモールを研究してきました。東ティモールでは山地社会やインドネシアとの国境周辺の村落などでフィールドワークを続けています。

文化人類学では、人々の生活を外側から評価するのではなく、実際にその社会に入り、日常生活や価値観、人間関係を理解しようとします。福武教授の研究からも、国際問題を考えるときには、その地域で暮らす人々の視点を知ることが重要だと分かります。


東ティモールのコーヒー栽培から社会を見る

福武教授が研究しているテーマの一つが、東ティモールの高地社会におけるコーヒー栽培と生活様式の変化です。

コーヒーは日本でも身近な商品ですが、生産地に目を向けると、その背景には地域の暮らしや経済の変化があります。農産物が市場で売られ、現金収入を得られるようになることで、人々の働き方や物の交換、生活の仕方が変わることがあります。

私たちが普段購入している一杯のコーヒーも、生産地の人々の生活とつながっています。「商品が世界で取引されることで、地域社会はどのように変化するのか」という問いも、人類学から考えることができるのです。


国際協力を「支援する側」だけから考えない

福武教授は、かつてNGO職員として東ティモールに長期滞在した経験があり、その後もNGOによる国際協力活動に関心を持ち続けています。

国際協力というと、「豊かな国が困っている国を助ける」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし実際には、外部から持ち込まれた支援方法が、その地域の生活や文化に合うとは限りません。

だからこそ、どのような支援を行うかだけではなく、「現地ではどのような暮らしが営まれているのか」「地域の人々は何を必要としているのか」「外部の支援は社会にどのような変化をもたらすのか」まで見る必要があります。


地域を深く知ることがグローバルな問題につながる

地域研究というと、一つの国や地域について詳しく調べる学問というイメージがあるかもしれません。しかし福武教授は、特定地域への深い理解を、国際協力、人権、難民、環境問題など地球規模の課題について考えることにつなげています。

例えば難民問題について考えるときも、人数や国際制度だけを知れば十分とはいえません。人々がなぜ移動することになったのか、移動前にはどのような生活をしていたのか、家族や地域社会との関係はどう変化したのかを見ることで、問題の捉え方が変わります。

世界全体を見る視点と、一つの地域を深く見る視点を往復することが、総合グローバル学科での地域研究にもつながっています。


フィールドワークとは何をするの?

2026年度、福武教授は総合グローバル学部で「フィールドワーク論」を担当しています。フィールドワークとは、研究対象となる場所へ実際に赴き、観察や聞き取りなどを通して社会を調べる方法です。

授業では、文化人類学で用いられる参与観察や民族誌について学ぶだけでなく、海外で調査を行う際の技法や危機管理、開発・国際協力の現場での調査例なども扱っています。また、グループワークやディスカッション、ロールプレイを取り入れながら、実践的に調査方法を学ぶことが目指されています。

現地へ行けば自動的に真実が分かるわけではありません。研究する側の立場や価値観が、相手との関係や調査結果に影響する可能性もあります。そのことまで考えながら調査するのがフィールドワークです。


外国語を学ぶ意味も変わって見える

地域研究では、英語だけではなく、その土地で使われている言葉を知ることも重要です。現地の人が自分たちの言葉で何を語っているのかを理解できれば、外部から発信された情報だけでは見えない社会の姿に触れることができます。

外国語を学ぶ目的は、単に海外の人と会話することだけではありません。その言語を通して、その地域の歴史や文化、考え方に近づくこともできます。

高校で外国語を学んでいて、「言葉が違うと考え方も変わるのだろうか」と感じた経験があれば、それも地域研究につながる問いになります。


高校生なら身近な商品から東南アジアを考えられる

福武教授の研究に興味を持ったら、まず身近なものの生産地を調べてみるのもよいでしょう。

コーヒー、衣類、食品など、東南アジアで生産された商品は日本の生活にも多くあります。「なぜこの地域で生産されているのか」「そこで働く人はどのように暮らしているのか」「世界市場とつながることで地域はどう変わったのか」と問いを広げることができます。

国際協力に興味がある人なら、「支援する側が良いと思うことと、現地の人が必要としていることは同じなのだろうか」と考えてみるのも一つです。


総合グローバル学科の東南アジア研究とどうつながる?

福武教授の研究は、一つの地域に深く入り込みながら、国際協力、開発、人権、環境など世界規模のテーマへ視野を広げていくものです。

総合グローバル学科でいう「グローバル」は、海外について広く浅く知ることだけではありません。東ティモールの一つの村や、一つの産業を丁寧に研究することで、世界経済や国際協力の仕組みまで見えてくることがあります。

具体的な地域を深く知ることから世界を考える。その方法を学べることが、地域研究の大きな魅力です。


推薦入試では「海外に興味がある」の先を考えてみよう

推薦入試を考えている高校生も、福武教授の研究テーマに自分の関心を合わせる必要はありません。教授の研究を知ることを、自分自身の疑問を具体化するきっかけとして活用してみてください。

例えば「東南アジアに興味があります」だけではなく、なぜ興味を持ったのか、どの国や地域の何が気になるのか、そこにはどのような社会背景があるのかまで調べてみると、学びたい内容が具体的になります。

国際協力についても、「人を助けたい」で終わらず、支援する側とされる側の関係や、地域社会の声まで考えることで、より深い問いにつながります。


福武慎太郎教授の研究から地域を見る面白さを知ろう

福武慎太郎教授の研究を知ると、一つの地域を深く研究することが、国際協力や環境、人権など世界規模の問題を考えることにつながっていると分かります。

ニュースで東南アジアを見たときも、国全体の出来事だけでなく、「そこで暮らしている人々の日常はどうなっているのだろう」と考えてみてください。普段飲んでいるコーヒーや学んでいる外国語からでも、地域研究への入口を見つけることができます。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。