
上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|鈴木由美子教授の有機化学・創薬研究とは
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、
「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の鈴木由美子教授と、有機化学を基盤とした創薬・機能性分子の研究」です。
私たちが使う医薬品の多くは、原子が決まった順番で結びついた有機化合物です。少し構造が変わるだけで、体内での働き方や性質が大きく変化することもあります。鈴木由美子教授は、有機化学を基盤として、生物活性を持つ分子や機能性物質の合成、新しい有機分子触媒反応の開発などに取り組んでいます。
鈴木由美子教授の専門は有機化学・医薬品化学

鈴木教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科の教授です。主な研究テーマとして、「創薬、生物活性・機能性物質の合成と有機分子触媒反応の開発」が掲げられています。
研究分野には、有機化学、医薬品化学、ヘテロ環化学、有機触媒などがあります。静岡県立大学で薬学を学び、博士(薬学)の学位を取得した後、海外を含む研究経験を重ね、2012年に上智大学へ着任しています。
薬学的な視点を持ちながら、有機化学の立場から新しい分子や反応を生み出している点が、鈴木教授の研究の特徴です。
「分子をつくる」ことから創薬へつなげる
創薬では、病気に関係する分子や生体反応に作用する化合物を見つけ、その構造を調整しながら性質を確かめていきます。そのためには、目的とする分子を実際に合成する有機化学の技術が欠かせません。
鈴木教授の研究室では、生物活性を持つ化合物や機能性分子の合成に取り組んでいます。公式の研究紹介では、抗腫瘍活性物質をはじめとする生物活性物質の合成なども研究テーマとして示されています。
高校の化学では、構造式を見て物質の性質を学びます。大学ではさらに、「この部分の構造を変えると働きはどう変化するのか」「目的の構造を効率よくつくるにはどんな反応が必要か」と考え、自ら分子を設計していきます。
ヘテロ環化合物とは?
鈴木教授の専門分野の一つに「ヘテロ環化学」があります。
ヘテロ環化合物とは、環状の構造の中に炭素以外の窒素や酸素、硫黄などの原子を含む化合物です。医薬品や生理活性物質にも、こうした構造を持つものが数多くあります。
環の大きさや、どの位置にどの原子が存在するかによって、分子の性質は変化します。そのため、新しいヘテロ環化合物を効率よくつくる方法を開発することは、有機合成化学の重要な研究テーマです。
高校で学ぶ炭素や窒素、酸素の性質も、大学では「どのように組み合わせれば目的の機能を持つ分子になるのか」という分子設計へと発展していきます。
有機分子そのものを触媒として利用する
鈴木教授は「有機分子触媒」を利用した新しい反応の開発にも取り組んでいます。
触媒とは、化学反応を進みやすくする物質です。金属を含む触媒も広く利用されていますが、有機分子自体を触媒として利用する方法もあります。
有機分子触媒では、分子の形や官能基を工夫することで、特定の反応を選択的に進めることを目指します。特に医薬品の候補となるような複雑な分子では、「どの向きの分子をつくるか」まで制御することが重要になる場合があります。
鈴木教授の研究では、こうした有機分子触媒を利用した新しい分子変換法の開発が進められています。
光る分子から生命現象を見る研究も

鈴木教授の研究では、蛍光性を持つ分子の合成も扱われています。蛍光とは、ある波長の光を吸収した物質が、別の波長の光を放つ現象です。
この性質を利用すると、目では直接確認できない分子の存在や変化を、光として捉えられる場合があります。化学者が目的に合わせて蛍光分子を設計・合成することで、生命現象を調べるための新しいツールにつながります。
ここでも、有機化学と生物学は別々の世界ではありません。「観察したい生命現象のために、どんな分子をつくればよいのか」と考えることで、二つの分野が結びついていきます。
物質生命理工学科だから学べる「化学と生命」の接点
上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学、環境科学、材料工学などを複合的に学びます。
鈴木教授の研究は、物質としての有機分子を合成し、その分子が生命現象の中でどのような働きを示すのかを考える研究です。
たとえば、新しい化合物を合成するには有機化学の知識が必要です。一方、その化合物がどのような生物活性を示すのかを考えるためには、生物や薬学に関する視点も必要になります。
高校では化学と生物を別々の教科として学んでいても、大学の研究では一つの問いを解くために複数の分野を行き来することがあります。
高校の化学から研究の問いを広げてみよう
鈴木教授の研究に興味を持ったら、高校で学んでいる有機化学から疑問を広げてみましょう。
たとえば、「分子の構造が少し違うだけで、なぜ性質が変わるのだろう」「医薬品の複雑な分子はどのようにつくられているのだろう」「特定の分子だけを光らせて観察するにはどうすればよいのだろう」といった問いがあります。
化学実験で予想と異なる生成物ができた経験があれば、「反応条件によって結果が変わるのはなぜだろう」と考えることもできます。
授業で習った反応を暗記するだけでなく、「別のつくり方はないのか」「構造を変えたらどうなるのか」と考えてみることが、有機化学の研究への入口になります。
推薦入試では「創薬に興味がある」の先へ

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考えている場合、「薬をつくりたい」「有機化学が好き」というところから、もう一段深く自分の興味を整理してみましょう。
たとえば、「生物活性を持つ分子の構造と働きの関係を知りたい」「複雑な医薬品分子を効率よく合成する方法を研究したい」「化学の力で生命現象を観察できる分子をつくりたい」といった方向へ問いを広げられます。
高校生の段階で専門的な創薬研究を経験している必要はありません。授業や探究活動、医薬品や生命科学に関するニュースなどから興味を持ち、自分で調べた結果、何をもっと知りたいと思ったのかを整理することが大切です。
鈴木教授の研究を知ると、有機化学は単に反応式を覚える学問ではなく、自分で分子を設計し、つくり、その機能を確かめる学問であることが分かります。高校で学ぶ化学と生命科学が大学でどうつながっていくのか、自分なりの疑問からさらに調べてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。
KOSSUN教育ラボでは、上智大学の推薦入試対策に特化した
上智大学合格プロジェクト
を完全定員制(先着10名限定)にて設け、専門性の高い個別サポートを行っています。
限られた時間の中でも本気で上智大学合格を掴み取りたい方は、今すぐ 無料個別相談会 にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


