上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教員紹介|高橋和夫教授の燃焼化学・次世代燃料研究とは

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「上智大学 理工学部 物質生命理工学科の高橋和夫教授と、燃焼化学・次世代燃料の研究」です。

自動車のエンジンや発電設備などでは、燃料を燃やすことでエネルギーを取り出しています。しかし、燃焼はただ「燃やせばよい」というものではありません。どの燃料を使い、どのような条件で反応させるかによって、得られるエネルギーや排出される物質は変わります。高橋和夫教授は、化学反応を分子レベルから理解し、低炭素・カーボンフリーな燃焼技術や次世代燃料の研究に取り組んでいます。


高橋和夫教授の専門は燃焼化学と環境化学

高橋教授は、上智大学 理工学部 物質生命理工学科の教授です。専門分野は、化学熱力学・反応速度論に基づく環境化学です。上智大学公式サイトでは、主な研究テーマとして「化学反応制御による低炭素およびカーボンフリー燃焼技術の開発と環境低負荷次世代自動車への応用」が紹介されています。

高橋教授は上智大学で工学博士の学位を取得しています。研究では、カーボンニュートラル燃料、アンモニアや水素によるカーボンフリー燃焼、エンジンの高効率化など、燃料と燃焼反応の両方を研究しています。

高校の化学で学ぶ「反応熱」や「反応速度」も、大学では実際のエネルギー利用やエンジン燃焼を考える重要な基礎になります。


燃料はなぜ「燃える」のかを化学から考える

燃焼とは、燃料と酸素などが反応し、熱を発生する化学反応です。しかし実際の燃焼では、一つの反応だけが起きているわけではありません。短い時間の中で多くの分子が反応し、さまざまな中間物質を経て最終的な生成物ができます。

高橋教授は、こうした反応がどのような順番で進むのか、温度や圧力によって反応速度がどのように変化するのかを研究しています。

燃焼の仕組みを詳しく理解できれば、「より少ない燃料から効率よくエネルギーを取り出すにはどうすればよいか」「望ましくない生成物を減らすにはどのように反応を制御すればよいか」といった問いを考えることができます。


CO2を出さないアンモニア燃料の研究

高橋教授が研究する次世代燃料の一つがアンモニアです。アンモニアは化学式NH3で表され、分子そのものに炭素を含んでいません。そのため、アンモニア自体を燃焼させる際には炭素由来のCO2が発生しないという特徴があります。

一方で、従来のガソリンなどとは燃焼特性が異なるため、実際の燃料として利用するには、どのような条件で安定して燃焼するのかを詳しく調べる必要があります。

高橋教授は、アンモニアを利用したカーボンフリー燃焼について、化学反応の仕組みから研究しています。

「CO2を出さない燃料ならすぐにすべて置き換えられる」という単純な話ではありません。燃焼しやすさやエネルギー利用、安全性、供給方法など、さまざまな条件を考える必要があります。だからこそ、基礎となる燃焼化学の研究が重要になります。


バイオ燃料やe-fuelも研究対象

高橋教授の研究では、バイオエタノールやe-fuelなどのカーボンニュートラル燃料も扱っています。

e-fuelは、再生可能エネルギーなどによってつくられた水素と、回収したCO2などを原料として合成する燃料です。既存の液体燃料とは異なる性質を持つ場合があるため、どのような燃焼特性を持つのかを調べることが必要です。

高橋教授は、こうした新しい燃料の化学反応を解析し、自動車燃料としてどのような組成が適しているのかを研究しています。

高校の化学では燃料について化学式や反応式から学ぶことがありますが、大学では「どの分子をどの割合で組み合わせると、望ましい燃焼になるのか」という燃料そのもののデザインへと発展します。


エンジンの高効率化にも化学が関わる

高橋教授は、次世代燃料だけではなく、エンジンの燃焼効率を高める研究にも取り組んでいます。

エンジンでは、燃料を燃やして発生したエネルギーを運動へ変換します。しかし、燃料が持つエネルギーをすべて利用できるわけではありません。

そこで、燃料の着火特性や燃焼速度を調べながら、より高い熱効率を実現する燃焼方法を研究します。燃料だけを改良するのではなく、「燃料の性質」と「エンジン内での燃え方」を一緒に考えるところが特徴です。

これは化学だけ、機械工学だけと分けて考えるのではなく、複数の分野を組み合わせて一つの課題に取り組む研究といえるでしょう。


物質生命理工学科でエネルギーを化学から考える

上智大学 理工学部 物質生命理工学科では、物理学、化学、生物学、環境科学、材料工学などを複合的に学びます。

高橋教授の研究は、その中でも化学反応を基礎として、エネルギーや環境、自動車技術へと研究を広げている例です。

高校では熱化学方程式や化学反応速度を問題として解くことが中心かもしれません。しかし大学では、その知識を使って「燃料を変えたら燃焼はどう変わるか」「反応条件を変えると排出物はどうなるか」と現実の技術を考えていきます。

数学や物理の知識も、温度や圧力、エネルギー変化などを定量的に考えるうえで重要になります。


推薦入試では「環境問題に興味がある」の先へ

上智大学 理工学部 物質生命理工学科の推薦入試を考えている人は、「環境問題に興味があります」「自動車が好きです」というところから、さらに問いを深めてみましょう。

たとえば、「燃料によって燃え方はなぜ違うのか」「CO2を減らすためには電動化以外にどのような技術が考えられるのか」「アンモニアを燃料として使うときにはどんな課題があるのか」といった疑問へ発展させることができます。

大切なのは、最初から一つの技術を正解と決めつけないことです。電気自動車、合成燃料、水素、アンモニアなど、それぞれに特徴や課題があります。複数の方法を比較しながら、自分はどの部分を科学的に知りたいのかを考えてみましょう。

高校生の段階で燃焼化学の専門知識を身につけている必要はありません。ニュースや授業、探究活動をきっかけに気になったことを調べ、「なぜだろう」と考え続けることが研究への入口になります。

高橋教授の研究を知ると、高校で学ぶ化学反応やエネルギーの知識が、次世代燃料や自動車、環境問題の研究へつながっていることが分かります。普段使っているエネルギーがどのような化学反応によって生み出されているのか、ぜひ身近なところから考えてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。