上智大学 総合人間科学部 看護学科|坂井志麻教授の研究紹介 老年看護学から「住み慣れた地域で暮らし続ける」を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、「老年看護学から『住み慣れた地域で暮らし続ける』を考える」です。


老年看護学・地域看護学ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部看護学科の坂井志麻教授は、老年看護学、高齢者看護学、地域看護学を専門としています。坂井教授は「退院支援や意思決定支援を専門に、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる仕組みを探求」しており、病院と地域との連携を強化しながら、「本人の希望を尊重し、生活の質を高める」支援のあり方を研究しています。入院した高齢者が、治療が終わったあとにどこでどう暮らしていくのかは、本人にとっても家族にとっても大きな課題です。

坂井教授は東京医科歯科大学で看護学の学士・修士・博士を取得し、大学病院や市立病院での看護師、健康保険組合での保健師としての実務経験を積んだのち、東京女子医科大学看護学部で助教・講師・准教授を歴任、杏林大学保健学部教授を経て、2023年から上智大学教授として着任しました。臨床現場での実践経験を土台に、研究と教育の両方に携わってきた研究者です。


高校までの学びとの違い

高校までは、高齢者の暮らしを支える仕組みについて、あまり深く考える機会は少ないかもしれません。しかし老年看護学・地域看護学では、退院後の生活をどう組み立てるか、本人がどのような暮らしを望んでいるかを丁寧に確認しながら、医療・介護・家族をつなぐ役割を学んでいきます。「治すこと」だけでなく、「その人らしく暮らし続けること」を支える視点が、大学での学びの大きな特徴です。


具体的な学びの例

たとえば、祖父母が入院や手術のあと、自宅に戻るか施設に入るかで家族が悩んだ経験がある人もいるかもしれません。老年看護学では、こうした「退院支援」や「意思決定支援」と呼ばれる場面で、本人の希望を丁寧に聞き取りながら、医療・介護・家族の間を調整していく看護の役割を学びます。本人の意思がうまく確認できない場合の支援のあり方も、重要な研究テーマです。

また、地域看護学の視点からは、病院の外にある訪問看護や地域包括支援センターなど、高齢者の生活を地域全体で支える仕組みについても学んでいきます。少子高齢化が進む日本社会において、ますます重要性を増していく分野です。

「意思決定支援」という言葉は、本人の希望を一方的に聞き出すことではありません。認知機能が低下していたり、うまく言葉にできなかったりする場合でも、これまでの生き方や価値観を手がかりに、本人らしい選択を家族や医療チームと一緒に探っていく、丁寧なプロセスが求められます。


推薦入試とのつながり

上智大学の推薦入学試験(公募制)では、看護学科の出願にあたり、①看護体験やボランティアからの学びについて、②新聞記事を素材とした医療・看護の問題分析という2つのレポート課題(各A4用紙2枚・2,000字程度)が課されます。高齢者や地域医療に関心がある場合、祖父母や地域の高齢者との関わりの経験があれば、それをレポート①の題材にするとよいでしょう。

看護学科の選考では学科試問は実施されず、面接ではレポート内容について3分以内のプレゼンテーションと質疑応答が行われます。面接の具体的な評価基準は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識の量よりも、高齢者との関わりの中で感じたことを、自分の言葉で丁寧に振り返れるかどうかが大切にされます。介護施設でのボランティアや、地域の高齢者との交流経験があれば、そこでの気づきを整理しておきましょう。

高齢化や介護をめぐるニュースにも日頃から関心を持ち、自分なりの考えを言葉にする練習をしておくことも、レポート②の準備につながります。地域包括ケアシステムなど、聞き慣れない言葉が出てきても、自分なりに調べてみる姿勢を大切にしてください。


まとめ

老年看護学・地域看護学は、「治すこと」だけでなく、「その人らしく暮らし続けること」を支える視点から、高齢者の生活全体を見つめる学問です。誰もがいずれ高齢期を迎えるからこそ、多くの人にとって身近で、これからますます大切になっていくテーマといえるでしょう。ぜひ、身近な高齢者との関わりについて、あらためて考えてみてください。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。


※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。