上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 トビアス・ヴァイス准教授とは?政治社会学・ジャーナリズム・市民社会から日本社会を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「トビアス・ヴァイス准教授の研究と、総合グローバル学科で学べる政治社会学・ジャーナリズムについて」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、日本の政治やメディア、市民社会について研究しているのがトビアス・ヴァイス准教授です。専門は、政治社会学、界理論、日本学、ジャーナリズム、市民社会、社会運動です。政治家や政府だけを見るのではなく、メディア、企業、研究者、市民団体など、社会のさまざまな集団が政治にどのような影響を与えているのかを社会学の視点から研究しています。


トビアス・ヴァイス准教授は何を研究している?

ヴァイス准教授の研究で重要なテーマとなっているのが、「政治の社会的な基盤」です。

政治というと、国会や選挙、政党などを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実際の政治には、新聞やテレビなどのメディア、企業、学界、市民団体、社会運動など、多くの人や組織が関わっています。

ヴァイス准教授は、それぞれがどのような考え方やルールで動き、互いにどのような影響を与えているのかを研究しています。政治を政治家だけの世界として見るのではなく、社会全体とのつながりから理解しようとするのが政治社会学です。


「界理論」とはどのような考え方?

ヴァイス准教授の研究の基盤となっているのが、フランスの社会学者ピエール・ブルデューによる「界理論」です。

少し難しい言葉ですが、「界」とは、社会の中にあるそれぞれの活動領域と考えると分かりやすいでしょう。例えば、政治には政治の世界、ジャーナリズムにはメディアの世界、大学には学問の世界があります。それぞれの世界には、重視される価値や評価の仕方、影響力を持つ人がいます。

そして、それぞれの界は完全に独立しているわけではありません。政治とメディア、企業と政治、研究者と社会運動などが互いに影響し合っています。ヴァイス准教授は、こうした関係を歴史的な資料やインタビューなどから分析しています。


日本のジャーナリズムを研究する

ヴァイス准教授の重要な研究テーマの一つが、日本のジャーナリズムです。特に、原子力をめぐる新聞報道などを対象に、メディアと政治・経済権力との関係を研究してきました。

ニュースは、起きた出来事をそのまま映しているように感じるかもしれません。しかし、どの出来事を取り上げるのか、誰に取材するのか、どのような言葉で伝えるのかによって、受け手が抱く印象は変わります。

ヴァイス准教授は、新聞記事の分析や報道関係者へのインタビューを通じて、ジャーナリストが政治や経済からどの程度独立して報道できるのか、また、メディア企業の組織文化や記者の職業意識が報道にどのような影響を与えるのかを調べています。


原子力報道からメディアと社会の関係を見る

ヴァイス准教授が日本のジャーナリズム研究に関心を持つきっかけの一つとなったのが、東日本大震災後の日本とドイツの原子力報道の比較です。

同じ原子力というテーマでも、国が違えば報道の仕方や社会での受け止め方が異なることがあります。その違いには、政治制度だけでなく、新聞社の歴史や企業との関係、ジャーナリストの考え方など、さまざまな要因が関係します。

「どちらの国の報道が正しいか」と単純に比べるのではなく、なぜ違いが生まれるのかを社会の構造から考えるところに、この研究の面白さがあります。


市民社会や社会運動も政治を動かす存在

ヴァイス准教授は、市民社会と社会運動についても研究しています。

市民社会とは、政府や企業だけではなく、市民が自主的につくる団体や活動などを含む社会の領域です。環境問題について活動する団体、人権問題に取り組むNPO、地域の課題について声を上げる市民グループなどもその一例です。

ただし、市民社会に属する団体がすべて同じ考え方で動いているわけではありません。政府との距離が近い団体もあれば、自律的に活動する社会運動もあります。

ヴァイス准教授は、こうしたさまざまな団体が政治界や経済界とどのように関わり、政治に影響しているのかを研究しています。


高校生ならSNSやニュースから考えられる

ヴァイス准教授の研究は、高校生の日常ともつながっています。

例えば、同じ社会問題について、テレビ、新聞、ニュースサイト、SNSで伝え方が違うと感じたことはないでしょうか。「なぜこのニュースは大きく扱われているのだろう」「誰の意見が多く紹介されているのだろう」「SNSではなぜ別の見方が広がっているのだろう」と考えることができます。

情報の内容だけではなく、その情報を誰が発信し、どのような組織や社会の中でつくられているのかを見ることも重要です。

普段見ているニュースを一つ選び、複数の媒体で報道を比較するだけでも、政治社会学やジャーナリズム研究につながる問いをつくることができます。


日本社会を研究することもグローバルな学びになる

総合グローバル学科という名前から、海外の社会だけを研究する学部だと思う人もいるかもしれません。しかし、ヴァイス准教授が研究対象としているのは日本社会です。

日本の政治、ジャーナリズム、市民社会を他国の事例や社会学理論と照らし合わせることで、日本社会の特徴を改めて考えることができます。

外国について知ることだけがグローバルな学びではありません。他国を見ることで自分の社会を問い直し、日本社会を研究することで他国との違いや共通点を考えることも、グローバル・スタディーズの重要な方法です。


総合グローバル学科の国際関係論とどうつながる?

ヴァイス准教授は、政治社会学の立場から、日本の市民社会や社会運動と、政治界・経済界との相互関係を研究しています。

国際問題について考える場合も、国家だけを一つのまとまりとして見るのではなく、その国の中にどのような社会集団があり、誰が政策や世論に影響しているのかを見る必要があります。

例えば気候変動について国際的な協力を進めようとしても、各国では政府、企業、市民団体、メディアなどの立場が異なります。その社会の構造を理解することが、国際的な協力を考える土台になるのです。


推薦入試では情報の「背景」まで考えてみよう

推薦入試を考えている高校生も、ヴァイス准教授の研究テーマに合わせる必要はありません。教授の研究を知ることを、自分の関心を深めるきっかけとして活用してみてください。

例えば、「メディアに興味がある」で終わらず、「なぜ同じ出来事でも報道の仕方が違うのか」「ニュースをつくる組織の仕組みは報道内容に影響するのか」と問いを具体的にできます。

社会運動に興味があるなら、「SNSで多くの人が賛同すれば政治は変わるのか」「市民団体はどのように政策へ影響するのか」と考えることもできます。

一つの情報をそのまま受け入れず、発信者や背景、異なる立場の意見まで調べることで、自分が大学で研究したいテーマも少しずつ見えてくるでしょう。


トビアス・ヴァイス准教授の研究から社会の仕組みを見てみよう

トビアス・ヴァイス准教授の研究を知ると、政治は政治家だけでつくられているものではなく、メディア、企業、研究者、市民団体など多くの人々や組織との関係の中で動いていることが分かります。

ニュースを見たときも、書かれている内容だけではなく、「誰がこの情報を伝えているのか」「その背景にはどのような社会の仕組みがあるのか」と一歩踏み込んで考えてみてください。身近なメディアへの疑問が、政治社会学やジャーナリズム、市民社会について学ぶ入口になるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。