
上智大学 総合人間科学部 社会学科|HOMMERICH CAROLA教授の研究紹介 社会階層論から「幸せ」と「格差」を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「社会階層論から『幸せ』と『格差』を考える」です。
社会階層論・ウェルビーイング研究ってどんな学問?
上智大学総合人間科学部社会学科のHOMMERICH CAROLA教授は、主観的ウェルビーイング、サステイナビリティ、社会階層論、リスク社会、社会関係資本を専門としています。ウェルビーイングとは、心身ともに満たされた状態、いわゆる「幸せ」を指す言葉です。収入や学歴といった社会的な地位が、人々の幸福感にどう影響するのか、また格差が広がる社会の中で、人と人とのつながり(社会関係資本)がどのような役割を果たすのかを研究しています。
HOMMERICH教授はケルン大学で社会学の修士・博士を取得し、ドイツ日本研究所の専任研究員、北海道大学准教授を経て、2019年から上智大学准教授、2022年から教授として着任しました。教授は「社会学は、私たちが生活する社会と、日々の行動を理解するのに役立つツール」として位置づけ、理論と実践の橋渡しを重視しています。
高校までの学びとの違い
高校までは、「幸せ」や「満足感」といったテーマは、道徳や個人の価値観の問題として捉えられることが多いと思います。しかし社会階層論では、幸福感や満足度を、アンケート調査などのデータを用いて客観的に測定し、収入や学歴、人間関係といった社会的な要因とどう関連しているのかを分析していきます。個人の感じ方の問題を、データにもとづいて社会的な現象として捉え直す視点が、大学での学びの大きな特徴です。
具体的な学びの例
たとえば、「お金があれば幸せになれる」と単純には言い切れないと感じたことはないでしょうか。社会階層論の研究では、実際に収入と幸福感の関係を調べると、ある一定の水準を超えると、収入の増加が幸福感にあまり影響しなくなることが分かってきています。むしろ、友人や家族とのつながりの豊かさが、幸福感に大きく関わっていることも研究で示されています。
また、「リスク社会」という視点からは、気候変動や感染症のように、誰もが予測できない不確実性の中で、人々がどう安心して暮らしていけるかを考えていきます。持続可能な社会のあり方に関心がある人にとっても、学びの多い分野です。
「社会関係資本」という考え方も、この分野の重要なキーワードです。困ったときに頼れる人がどれだけいるか、地域や職場でどれだけ信頼関係が築けているかといった、目に見えにくいつながりの豊かさが、実は人々の暮らしの安定や幸福感を大きく支えていることが研究で示されています。
推薦入試とのつながり
上智大学の推薦入学試験(公募制)では、社会学科の出願にあたり、関心のあるテーマについて書かれた社会学者の本を読み、その内容に言及しながら、自分が社会学で何を・なぜ・どのように学びたいかを述べるレポート課題(A4用紙2枚程度)が課されます。幸福感や格差、持続可能性に関心がある場合、社会階層論や幸福研究に関する入門書を読んでみることが、自分の考えを深める助けになるでしょう。
社会学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
推薦入試に向けて意識したいこと
推薦入試では、知識の量よりも、「幸せとは何か」といった身近なテーマについて、データや客観的な視点から考えようとする姿勢が大切にされます。友人や家族との関わりの中で感じた満足感や安心感について、具体的に振り返ってみましょう。
SNSでの他者との比較が自分の気持ちにどう影響するかを考えてみることも、社会階層論やウェルビーイング研究への関心につながる身近な入り口になります。他人と比べて落ち込んだ経験があるなら、その感情がどこから生まれているのかを冷静に分析してみるのも良い練習です。
まとめ
社会階層論・ウェルビーイング研究は、「幸せ」という個人的に思える感覚を、社会全体の構造の中で捉え直していく学問です。お金や地位だけでは測れない豊かさとは何かを考えることは、これからの社会を生きていく私たち一人ひとりにとって、大切な問いといえるでしょう。ぜひ、自分自身の「幸せ」について、あらためて考えてみてください。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


