
上智大学 総合人間科学部 社会学科|今井順教授の研究紹介 労働社会学から「働き方」と「格差」を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「労働社会学から『働き方』と『格差』を考える」です。
労働社会学・経済社会学ってどんな学問?
上智大学総合人間科学部社会学科の今井順教授は、雇用関係、労働社会学、社会的不平等、経済社会学を専門としています。働き方や雇用のあり方は、個人の努力や能力だけで決まるものではなく、会社の制度や社会全体の仕組みによって大きく左右されます。同じように一生懸命働いていても、正社員か非正規雇用かによって待遇が大きく異なる、といった現実は、労働社会学が向き合う中心的なテーマの一つです。なぜそうした違いが生まれ、どうすれば公正な働き方が実現できるのかを考えることは、これから社会に出ていく私たち全員に関わる問題でもあります。
今井教授はニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で社会学の博士号を取得し、ドイツの大学での研究員、東北大学、北海道大学を経て、2018年から上智大学教授として着任しました。日本だけでなく、海外の労働環境や社会制度とも比較しながら研究を進めてきた研究者です。教授は、社会学科の少人数教育について「知的に独立した良き市民になりたい人」に適した環境だと述べています。
高校までの学びとの違い
高校までは、「頑張って働けば、それに見合った対価が得られる」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし労働社会学では、同じ仕事をしていても、雇用形態や性別、年齢などによって賃金や待遇に差が生まれる仕組みを、データや制度の視点から分析していきます。個人の努力だけでは説明できない格差の背景を、社会の仕組みとして捉え直す視点が、大学での学びの大きな特徴です。
具体的な学びの例
たとえば、アルバイト先で、同じ時間働いているのに時給や役割が人によって違うことに気づいた経験はないでしょうか。労働社会学では、こうした身近な違いの背景にある雇用契約の仕組みや、会社の人事制度を分析の対象とします。統計データを用いて、日本社会全体でどのような格差が生じているのかを客観的に把握する力も身につきます。
また、「働き方改革」や「非正規雇用」といったニュースで耳にする言葉も、この分野を学ぶことで、その背景にある制度や歴史的経緯まで含めて理解できるようになります。将来、企業の人事や労働政策に関わる仕事を目指す人にとっても、実践的な視点を養える分野です。
今井教授の研究は、日本国内だけにとどまりません。国によって雇用のルールや働き方に対する価値観は大きく異なり、比較の視点を持つことで、日本の労働のあり方を当たり前のものとしてではなく、一つの選択肢として捉え直すことができます。海外のニュースで働き方の違いに触れた経験がある人にとっても、身近に感じられるテーマです。
推薦入試とのつながり
上智大学の推薦入学試験(公募制)では、社会学科の出願にあたり、関心のあるテーマについて書かれた社会学者の本を読み、その内容に言及しながら、自分が社会学で何を・なぜ・どのように学びたいかを述べるレポート課題(A4用紙2枚程度)が課されます。労働や格差に関心がある場合、雇用や働き方をテーマにした社会学の入門書を1冊選んで読んでみることが、レポートの土台になるでしょう。
社会学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
推薦入試に向けて意識したいこと
推薦入試では、知識の量よりも、身近な労働やアルバイトの経験から感じた疑問を、社会全体の仕組みと結びつけて考えられるかどうかが大切にされます。家族の働き方について話を聞いてみることも、この分野への関心を深める良いきっかけになるでしょう。アルバイト先での経験だけでなく、ニュースで取り上げられる労働問題について、自分なりに調べてみる姿勢も評価につながる大切な準備です。
まとめ
労働社会学は、「頑張れば報われる」という個人の物語だけでは説明しきれない、働き方をめぐる社会の仕組みを読み解いていく学問です。自分自身や身近な人の働き方を、少し引いた視点から見つめ直すことが、この分野を学ぶ第一歩になります。将来、社会に出て働くすべての人に関わるテーマだからこそ、多くの発見があるはずです。
もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。
※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


