上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 戸田美佳子准教授とは?アフリカ地域研究・生態人類学・障害学から社会を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、

「戸田美佳子准教授の研究と、総合グローバル学科で学べるアフリカ地域研究・生態人類学・障害学について」です。

上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科で、中部アフリカの人々の暮らしを研究しているのが戸田美佳子准教授です。専門は、アフリカ地域研究(中部アフリカ)、生態人類学、障害学です。特にカメルーンやコンゴなどをフィールドとして、障害のある人々の生活や社会との関わり、熱帯雨林で暮らす人々と森林資源との関係について研究しています。


戸田美佳子准教授は何を研究している?

戸田准教授の研究には、大きく二つのテーマがあります。一つは、アフリカに暮らす障害のある人々についての人類学的な研究です。もう一つは、アフリカ熱帯雨林における自然保全と、そこに暮らす地域住民との関係についての研究です。

一見すると別々のテーマに見えますが、どちらにも共通しているのは、「人は社会や自然環境とどのように関わりながら暮らしているのか」という問いです。

人の生活を、制度や数字だけから見るのではなく、実際の暮らしや人間関係まで丁寧に見るところに、生態人類学や地域研究の特徴があります。


障害は本人だけの問題なのだろうか?

戸田准教授は、カメルーンでのフィールドワークをきっかけに、障害のある人々が社会の中でどのように暮らしているのかに関心を持つようになりました。

障害という言葉を聞くと、身体の状態そのものに注目しがちです。しかし、同じ身体的な特徴があっても、周囲の環境や仕事、人間関係、社会制度によって、生活のしやすさは大きく変わります。

戸田准教授は、障害のある人々の仕事や日常生活、人とのつながりを調べることで、「障害とは何なのか」「生きやすさを決めるのは何なのか」という問いを考えています。

日本で当たり前だと思っている障害への考え方も、別の社会を見ることで違った角度から見直すことができます。


アフリカ熱帯雨林で暮らす人々から何が見える?

戸田准教授は、アフリカ熱帯雨林に暮らす人々と森林資源との関係についても研究しています。

熱帯雨林には豊かな自然があり、野生動物や森林を守ることは世界的な課題です。一方で、その森は昔から地域の人々が狩猟や採集などを行い、生活を営んできた場所でもあります。

自然保護を進めるために国立公園がつくられたり、森林利用が制限されたりすると、環境保全にはつながる一方、そこで暮らしてきた人々の生活が難しくなる場合があります。

ここでは、「自然を守ること」と「地域の人々の暮らしを守ること」のどちらか一方だけを選べばよいわけではありません。異なる立場や価値観の間で、どのような方法を考えられるのかが重要になります。


「アフリカ」という一つのイメージで見ない

戸田准教授は、アフリカについて授業で伝える際にも、一つのイメージをつくらないよう注意していると述べています。

日本のニュースでは、アフリカが貧困、紛争、感染症などの「問題」と結びつけて紹介されることがあります。しかし、アフリカには多くの国があり、民族、言語、宗教、自然環境、歴史も大きく異なります。

問題だけに注目すると、その地域で暮らす人々の日常や文化、信仰、仕事、人間関係などが見えなくなってしまいます。

地域研究では、「アフリカではこうだ」とまとめてしまうのではなく、具体的な地域へ深く入り、その場所の人々の生活から社会を理解していきます。


フィールドワークは自分の「当たり前」を問い直す

戸田准教授は、フィールドワークの面白さについて、分からない他者や異文化に出会うことで、自分自身の文化を問い直せることを挙げています。

例えば、初めて見る生活習慣に出会ったとき、「変わっている」と感じることがあるかもしれません。しかし、その地域の環境や歴史、人間関係を調べると、そこにはその社会なりの理由や合理性が見えてくる場合があります。

「なぜこの人たちはこうするのだろう」と考えるだけでなく、「では、なぜ自分たちはこうしているのだろう」と問い返すことが、人類学や地域研究の大切な視点です。


高校生なら身近なバリアから考えてみよう

戸田准教授の研究は、アフリカへ行った経験がなくても考えることができます。

例えば、学校や駅、街の中で車いすを利用している人にとって使いにくい場所を見つけたとします。そのとき、「障害があるから大変なのだ」と考えるだけではなく、「建物や制度の側を変えれば生活しやすくなるのではないか」と考えることができます。

また、環境問題について探究している高校生なら、「森林を守るための政策によって、そこで暮らす人々にはどのような影響が出るのだろう」と問いを広げることもできます。

一つの問題について、自然環境、人権、文化、暮らしなど複数の側面を見ることで、社会問題の見え方は変わります。


現在はアフリカ研究に関する授業も担当

2026年度には、戸田准教授は「アフリカ研究概説」や英語で学ぶ「LIFE AND CULTURE IN AFRICA」などを担当しています。また、1年次の「グローバル・スタディーズ基礎演習」にも関わっています。

アフリカ研究では、その地域を特定の社会問題だけから理解するのではなく、自然環境、歴史、文化、社会、人々の日常などを幅広く見ていくことができます。

戸田准教授の研究を知ることで、地域研究とは単に外国について知識を増やす学問ではなく、一つの地域を深く見ることから人間や社会そのものを考える学問だと分かるでしょう。


総合グローバル学科の中東・アフリカ研究とどうつながる?

戸田准教授は、総合グローバル学部の中東・アフリカ研究領域に関わっています。

熱帯雨林の自然保全は世界規模の環境問題ですが、実際にはカメルーンなど具体的な地域で暮らす人々の日常生活と結びついています。また、障害者を取り巻く問題も、人権という世界的なテーマである一方、それぞれの地域の社会や文化によって現れ方は異なります。

世界規模の課題と地域の具体的な暮らしを行き来しながら考えるところに、総合グローバル学科で地域研究を学ぶ面白さがあります。


推薦入試では「自分の常識」を疑ってみよう

推薦入試を考えている高校生も、戸田准教授の研究テーマそのものに合わせる必要はありません。大切なのは、教授の研究をきっかけに、自分の興味をさらに深く考えてみることです。

例えば、障害者支援に興味があるなら、「どう支援するか」だけではなく、「そもそも何が生活上の障壁になっているのか」と考えてみてください。環境問題に興味があるなら、「自然を守るべきだ」で終わらず、その政策によって影響を受ける人々についても調べてみることができます。

自分とは異なる社会を見ることで、自分が当然だと思っていた価値観にも気づくことがあります。そこから生まれた疑問を調べ続けることで、大学で研究したいテーマも具体的になっていくでしょう。


戸田美佳子准教授の研究からアフリカと社会を見つめ直そう

戸田美佳子准教授の研究を知ると、アフリカ地域研究は遠い国について学ぶだけのものではないことが分かります。障害、自然保全、人々の暮らしというテーマを通して、私たち自身の社会や価値観も問い直すことができます。

ニュースやSNSでアフリカについての情報を見たときも、一つのイメージだけで判断せず、「その地域では実際にどのような人々が暮らしているのだろう」と調べてみてください。一つの地域を深く知ることが、世界の見方を広げるきっかけになるかもしれません。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。

※本記事は、記事作成時点で上智大学公式サイト等に掲載されている情報を確認したうえで作成しています。入試制度、出願資格、試験内容、日程、カリキュラム、教員の所属・研究分野などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず上智大学公式サイトおよび対象年度の最新の入学試験要項をご自身で確認してください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。