上智大学 総合人間科学部 社会学科|中澤秀雄教授の研究紹介 地域社会学から「災害」と「復興」を考える

こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。

今回のテーマは、「地域社会学から『災害』と『復興』を考える」です。


地域・都市社会学、災害社会学ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部社会学科の中澤秀雄教授は、地域・都市社会学、環境と資源の社会学、災害と復興の社会学を専門としています。地震や台風などの自然災害が起きたとき、被害の大きさは自然現象だけで決まるわけではありません。地域のつながりの強さや、行政の対応、日頃からの備えのあり方によって、その後の復興のスピードや人々の暮らしの立て直しは大きく変わってきます。中澤教授は、こうした災害と地域社会の関係を、フィールドワークを通じて研究しています。

中澤教授は東京大学で社会学の修士・博士を取得したのち、札幌学院大学、千葉大学、中央大学で教育・研究を重ね、2022年から上智大学教授として着任しました。教授は、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)と呼ばれる予測困難な時代において社会学の重要性を強調しており、「2030年に必要とされるスキル」の上位に人類学・社会学が位置づけられていることに触れながら、機械には代替できない「ソフトスキル」の育成を大切にしています。


高校までの学びとの違い

高校までは、災害についてニュースや理科・地理の授業を通して、自然現象としての側面を中心に学ぶことが多いと思います。しかし地域社会学では、災害からの復興を、建物やインフラの再建だけでなく、地域の人と人とのつながりがどう再建されていくかという視点から捉えていきます。統計データの分析力だけでなく、現地に足を運んで人々の声を聞くフィールドワークの力も求められる点が、大学での学びの特徴です。


具体的な学びの例

たとえば、自分の住んでいる地域で、お祭りや自治会の活動が年々縮小していると感じたことはないでしょうか。地域社会学では、こうした地域のつながりの変化が、実際に災害が起きたときの助け合いの力にどう影響するのかを研究します。人口減少や過疎化が進む地域で、資源やエネルギーをどう持続可能な形で活用していくかというテーマも、この分野の重要な研究対象です。

また、被災地の復興支援に関するニュースを見て、「なぜ復興のスピードが地域によって異なるのか」と疑問に思った経験がある人もいるかもしれません。中澤教授の研究は、こうした問いに、社会調査というデータに基づいた方法で答えようとするものです。行政の統計資料や聞き取り調査の記録を丁寧に読み解きながら、地域ごとの違いがなぜ生まれるのかを明らかにしていく、地道で実証的なアプローチが特徴です。


推薦入試とのつながり

上智大学の推薦入学試験(公募制)では、社会学科の出願にあたり、関心のあるテーマについて書かれた社会学者の本を読み、その内容に言及しながら、自分が社会学で何を・なぜ・どのように学びたいかを述べるレポート課題(A4用紙2枚程度)が課されます。地域や災害、環境問題に関心がある場合、地域社会学や環境社会学の入門書を手に取ってみると、自分の関心を言葉にする手がかりが見つかるでしょう。

社会学科の選考では学科試問は実施されず、面接によって総合的に判定されます。面接での具体的な質問内容は大学から公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識の量よりも、自分の住む地域について観察し、疑問を持ち、調べようとする姿勢が大切にされます。防災訓練や地域行事に参加した経験があれば、そこで感じたことを具体的に振り返ってみましょう。参加する中で見えてきた地域の課題や、人と人とのつながりの大切さについても、言葉にしてみると良い準備になります。

ニュースで報じられる被災地の様子を見るときも、「どのような支援が行われているか」「地域の人々はどう助け合っているか」まで意識してみることが、この分野への理解を深める練習になります。


まとめ

地域社会学・災害社会学は、災害という困難な出来事を通して、地域社会のつながりの大切さを見つめ直す学問です。予測が難しい時代だからこそ、データにもとづく分析力と、現場に足を運んで人の声を聞く力の両方が求められています。自分の住む地域について、あらためて関心を向けてみることが、この学問を学ぶための確かな第一歩になるはずです。

もし一人で整理するのが難しいと感じたら、KOSSUN教育ラボの無料個別相談も活用してみてください。


※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

川又ヒトミ(KOSSUN教育ラボ プロ講師)

川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師

【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。 プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。 著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。