
上智大学 総合人間科学部 心理学科|齋藤梓准教授の研究紹介 トラウマ・被害者支援から「安心・安全」を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「トラウマ・被害者支援から『安心・安全』を考える」です。
臨床心理学・トラウマ・被害者支援ってどんな学問?

上智大学総合人間科学部心理学科の齋藤梓准教授は、臨床心理学のなかでも、トラウマや犯罪・災害の被害にあった人への支援を専門としています。トラウマとは、事件や事故、災害など、心に強いショックを受ける出来事によって生じる、こころの傷のことです。齋藤准教授は「個人に対するアプローチだけではなく、安心・安全な組織や社会を考えていくこと」の重要性を強調しており、犯罪や災害の被害にあった人を、一人だけの力ではなく、周囲や社会全体でどう支えていくかという視点から研究を進めています。
齋藤准教授は上智大学で学士から博士まで一貫して心理学を学び、目白大学人間学部で助教・専任講師を務めたのち、2023年から上智大学准教授として着任しました。臨床現場での支援経験と研究の両方を重ねながら、被害にあった人を取り巻く環境全体を視野に入れた支援のあり方を探ってきた研究者です。
高校までの学びとの違い
高校では、事件や災害について、ニュースや教科書を通して「知識」として学ぶことが多いと思います。しかし大学での学びでは、そうした出来事によって実際に傷ついた人が、その後どのように日常を取り戻していくのか、周囲はどのように関わればよいのかを、専門的な理論と実践の両面から考えていきます。当事者の視点に立ち、安易に「大変でしたね」で終わらせず、具体的にどのような支援が必要かを考え続ける姿勢が、大学での学びに求められる違いです。
具体的な学びの例

たとえば、いじめや事故など、身近な出来事で傷ついた友人に、どう接すればよいか迷った経験がある人もいるかもしれません。トラウマや被害者支援の視点では、こうした場面において、本人の気持ちを尊重しながら、無理に聞き出そうとせず、安心できる環境を整えることの大切さを学びます。心理学科では、こうした支援の考え方を体系的に学ぶことができ、将来、犯罪被害者支援や災害支援、スクールカウンセラーなどの分野で活躍する土台を築くことができます。
災害が起きたとき、被災した人を支えるのは専門家だけではありません。学校やご近所といった身近なコミュニティが、どのように安心できる環境をつくれるかも大切なテーマです。避難訓練や防災学習で感じたことを振り返ってみると、被害者支援について考えるきっかけが見つかるかもしれません。
推薦入試とのつながり
上智大学の推薦入学試験(公募制)では、心理学科の出願にあたり「自分にとって心理学を学ぶことの意味」を述べるレポート課題(A4用紙1200字程度)が課されます。被害者支援やトラウマに関心がある場合、ニュースで見た出来事や身近な経験から感じた「もっと支えられる仕組みが必要だ」という思いを、自分の言葉で具体的に整理してみるとよいでしょう。
なお、学科試問の具体的な出題内容は大学から公式には公表されていないため、断定的な情報として扱うことはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
推薦入試に向けて意識したいこと

推薦入試では、知識量よりも、困難な状況にある人に対して、どのような支援が必要かを自分なりに考えられるかどうかが大切にされます。ボランティア活動や防災学習などを通して感じたことがあれば、それを丁寧に言葉にしてみましょう。
ニュースで事件や災害の報道を見たときに、被害にあった人のその後の生活まで想像してみる習慣をつけておくことも、被害者支援について考える力を養う一歩になります。一時的な出来事として終わらせず、その後も続く生活に目を向ける視点を大切にしてみてください。
まとめ
トラウマ・被害者支援は、つらい経験をした人が、再び安心して日常を過ごせるようになるために、個人だけでなく社会全体でどう支えていくかを考える分野です。誰もが当事者になりうるテーマだからこそ、多くの人にとって身近で大切な学問といえるでしょう。困難な経験をした人を「かわいそうな人」として一方的に見るのではなく、その人が再び自分の力を取り戻していく過程に、周囲としてどう関わっていけるかを考える視点が大切です。同情するだけで終わらせず、具体的にどのような仕組みがあれば安心して生活を取り戻せるのかを考え続けることが、この分野の実践的な意義といえます。ぜひ、身のまわりの安心・安全について、あらためて考えてみてください。
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※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


