
上智大学 総合人間科学部 心理学科|吾妻壮教授の研究紹介 精神分析から「自分を知ること」を考える
こんにちは!KOSSUN教育ラボ教務担当(上智大学推薦入試サポート)です。
今回のテーマは、「精神分析から『自分を知ること』を考える」です。
精神医学・精神分析ってどんな学問?
上智大学総合人間科学部心理学科には、精神医学と精神分析を専門とする吾妻壮教授がいらっしゃいます。精神分析とは、簡単に言うと「人の心の中には、自分でも気づいていない部分がある」という考え方をもとに、心の動きを理解しようとする学問です。たとえば、なぜかいつも同じような失敗をくり返してしまう、理由がはっきりしないのに誰かにイライラしてしまう、といった経験は誰にでもあると思います。精神分析では、そうした行動や感情の背景に、自分でも言葉にできていない気持ちが隠れていると考え、対話を通してそれを少しずつ言葉にしていきます。
吾妻教授は「自分を知ること、他者を知ることは、一体どこまで可能なのか」という問いを大切にしながら、精神分析的心理療法の実践に取り組んでいらっしゃいます。
吾妻教授は大阪大学で医学の学士・博士を取得する一方、東京大学で文学の学士も取得しており、精神科医・精神分析家として臨床の現場で実践を重ねてきた経歴を持っています。医学的な視点と、人の心の機微を読み解く視点の両方を兼ね備えていることは、精神分析という学問の性質をよく表しているといえるでしょう。
高校までの学びとの違い
高校では、心理学というと「性格診断」や「心理テスト」のような、答えがはっきり決まっているものをイメージするかもしれません。しかし大学で学ぶ精神分析は、そうした単純な答え探しとは少し違います。ひとりの人の心には、いくつもの矛盾した気持ちが同時に存在していることがあり、それを「これが正解」と一言でまとめることはできません。大学の学びでは、わかりやすい答えを急いで出すのではなく、「なぜそう感じるのだろう」「別の見方をすると、この気持ちはどう説明できるだろう」と、時間をかけてじっくり考え続ける姿勢が求められます。
具体的な学びの例
たとえば、部活動やクラスの中で、仲の良い友達に対してなぜか素直になれなかった経験はないでしょうか。精神分析的な視点では、そうした行動の背景に「期待に応えられなかったらどうしよう」という不安や、「本当の自分を知られるのが怖い」という気持ちが隠れている場合があると考えます。心理学科では、こうした身近な人間関係の悩みも、専門的な理論やケースを通して深く学んでいくことができます。将来、臨床心理士や公認心理師として、悩みを抱える人に寄り添う仕事を目指す人にとっても、土台となる考え方を学べる分野です。
また、日記や自己分析ノートをつけてみると、その日の出来事だけでなく、自分でも説明しきれない気持ちの揺れに気づくことがあります。精神分析の視点では、そうした「うまく言葉にできない部分」こそが、自分自身を理解する手がかりになると考えます。心理学科では、このような自己理解のプロセスを、理論的な裏づけとともに学んでいくことができます。
推薦入試とのつながり
上智大学の推薦入学試験(公募制)では、心理学科の場合、出願にあたって「自分にとって心理学を学ぶことの意味」について述べるレポート課題が課されます(A4用紙1200字程度)。これは、単に心理学の知識をどれだけ持っているかを測るものではなく、あなた自身がどのような問いを持ち、それを心理学とどう結びつけて考えられるかを見るための課題だと考えられます。精神分析のように「自分自身を見つめ直す」という視点は、まさにこのレポートを書くうえでも生きてくるテーマです。
なお、学科試問の具体的な出題内容については大学から公表されていないため、過去の傾向をもとに断定的に語ることはできません。出願を検討する際は、必ず上智大学公式サイトの最新の入学試験要項をご確認ください。
推薦入試に向けて意識したいこと
推薦入試は、完璧な人だけが挑む試験ではありません。大切なのは、日々の高校生活の中で「なぜだろう」と立ち止まって考えた経験を、自分の言葉で説明できるようにしておくことです。たとえば探究活動やボランティア、委員会活動などで人とかかわる中で感じた戸惑いや気づきを振り返ってみると、それが心理学への関心につながっていることに気づくかもしれません。
まとめ
精神分析は、自分や他者の心を単純に決めつけず、時間をかけて理解しようとする学問です。すぐに答えが出ない問いと向き合い続ける姿勢は、大学での学びだけでなく、これからの人生の中で人と関わっていくうえでも大きな財産になるはずです。ぜひ、自分自身の「なぜ」を大切にしながら、心理学という学問についてもっと知ってみてください。
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※本記事は、記事作成時点の上智大学公式情報をもとに作成しています。最新情報や入試の詳細は、必ず上智大学公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
川又 ヒトミ(かわまた・ひとみ)
KOSSUN教育ラボ プロ講師
【略歴】
お茶の水女子大学卒業後、私立高校に入職。進路指導部長を務め、大学入試改革や新学習指導要領、ギガスクール構想など変化する教育現場にて指揮を執る。
プロ講師に転向後は、上智大学をはじめ、難関大学に毎年多数の合格者を輩出。最新情報を駆使した戦略的な指導に定評がある。塾生はもちろん、保護者、講師からも一目置かれ、「合格請負人」の異名を取る人気講師として知られる。
著書に『総合型選抜・推薦型選抜で「凡人」が難関大に合格る本』(ビジネス実用社)。


